みずほ銀行は3月16日、タイ上場の化学会社Indorama Ventures Public Company Limited(インドラマ・ベンチャーズ)が調達を計画する「サステナビリティ・リンク・ニンジャローン」のアレンジャーに単独で就任し、今月13日にFacility Agreement契約を締結したと発表した。環境や同ローンは、ESGへの取り組みを評価されれば金利を引き下げる仕組みで、金額は2億5500万ドル(約270億円)。みずほ銀によるとタイ企業向けで初のニンジャローンであり、日本を除くアジアで初めてESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを評価する仕組みを取り入れている。契約期間は5年間。
インドラマ・ベンチャーズはタイを本拠とし、6大陸世界33ヵ国でグローバルに事業を展開している。ペットボトルの原料になるポリエチレン・テレフタレート(PET)の世界最大手であり、PET事業の他、オレフィン誘導品事業、繊維事業を主な事業とする。ESG投資の国際的な指標「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス」構成銘柄に選出されている企業でもある。
サステナビリティ・リンク・ローンは、企業のCSR戦略と連携したサステナビリティ目標を設定し、金利などの借入条件を、サステナビリティ目標達成に連動させることで、借り手にインセンティブを与え、環境・社会面において持続可能な経済活動および経済成長を促進、支援する。ニンジャローンは在日金融機関による本邦投資家をメインの対象とした非日系・非居住者向けのコーポレートシンジケート・ローンで、「サムライローン」とも呼ばれる。「ニンジャローン」の名称は、みずほ銀が米国などで商標登録している。
サステナビリティ・リンク・ニンジャローンは、グローバルに信頼性の高い第三者機関が評価するESGスコアが、インドラマ社と、主幹事金融機関と参加金融機関で構成するシンジケート団で事前に取り決めた基準に到達した場合、金利の引き下げを行うことで、インドラマ社のESGへの取り組みにインセンティブを付与する。
契約締結について、みずほ銀は、「ESGへの対応の重要性が世界的に高まるなか、本ローンをシンジケーション方式で組成することで、当該取り組みに賛同する参加金融機関とともに、インドラマ社のESGへの取り組みをファイナンス面から支援する」と説明。総合金融グループとして知見を活かし、ESGを推進する企業への助言や資金調達支援をはじめ、多様なソリューションの提供に積極的に取り組んでいく姿勢を示している。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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