電子地域通貨はキャッシュレス政策の追い風になるか。実働通貨が増える傍ら、課題は安定流通

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千葉県木更津市、君津信用組合、木更津商工会議所がシステム開発のアイリッジと連携し、開発した電子地域通貨「アクアコイン」の導入が進んでいる。一般消費者を対象にした電子地域通貨は県内初めての試みだ。

日刊ゲンダイDIGITALによると、アクアコインは2018年3月から6月までの実証実験を終え、利用総額は目標の3,000万円を上回る約4,100万円、2月12日現在までには7,000万円の利用実績があるという。アクアコインは小売店や飲食店など約400店舗以上に導入されている。商店街などの地域の中で消費活動を高め、資金の地域内にける循環を促進すると共に、地域外からの観光客などにアクアコインを利用してもらうことで、経済の活性化を目指している。

アクアコインを利用するには、スマートフォンに専用アプリをダウンロードする必要がある。アプリに現金をチャージ後、加盟店にあるQRコードをスマホで読み込み、画面上で利用金額を入力することで決済が完了する。アクアコインでは、1アクアコイン=1円に固定され、仮想通貨のように価格が変動することはない。2月1日から3月31日までは、購入額の5%のアクアポイントが還元されるキャンペーンも実施されている。

政府がキャッシュレス化を推し進めている中、企業や自治体がIT技術を使った地域限定の仮想通貨を発行する動きが広がりつつある。電子地域通貨を発行したのは木更津市だけではない。2017年12月には岐阜県飛騨市が、飛騨信用組合と協力し「さるぼぼコイン」を発行している。日刊ゲンダイDIGITALによると、2019年2月時点で加盟店900店舗、利用者6,500人、決済総額5億4,000万円にも及ぶことが報じられている。

仮想通貨は投機目的で決済通貨としての利用は普及していないが、電子地域通貨のようなデジタル通貨は実際に支払いシーンで利用が進んでいる。本来決済通貨を目指していた仮想通貨は、価値の交換・支払いの手段として実際に利用されることが必要不可欠だ。

しかし、地域通貨や電子地域通貨の定着には課題もある。通貨の知名度や規模が必要なことはもちろん、その地域の特性に合った機能や使い方こそが地域通貨の流通を安定させることに繋がるためだ。現金よりも電子地域通貨を利用させるインセンティブ設計は、簡単なようで難しい問題のようだ。

【参照記事】木更津市・飛騨市で導入 地域限定「電子通貨」はヒットするか
【参照記事】電子地域通貨「アクアコイン」が10月1日スタートします!チャージキャンペーン実施予定!

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。