元TwitterのCEOで米決済企業Blockの代表を務めるJack Dorsey氏は12月21日、自身のTwitterアカウントにてWeb3.0を痛烈に批判する内容を投稿した。この発言がきっかけとなり、Twitter上では多くの人を巻き込む論争に発展している。
議論の発端となったDorsey氏のツイートは以下のようなものだ。
「Web3.0を所有しているのはあなたではない。ベンチャーキャピタル(VC)とその先にいる有限責任パートナー(LP)だ。ラベルが違うだけで、結局は中央集権的な存在であることに変わりはなく、彼らのインセンティブから逃れることはできないだろう。」
Dorsey氏のこの発言に対して、米Tesla CEOのElon Mask氏も便乗。「誰かWeb3.0を見た?どこにも見つからないのだけど。」とツイートしている。この投稿に対しDorsey氏は、「aとzの間だよ」と、Web3.0の実現を目指す米大手VCのa16zを皮肉する内容を返した。
Web3.0とは、これまでの企業中心のシステムに代わりブロックチェーンを用いることで分散型ネットワークを実現する試みのことだ。インターネットの新時代を表す言葉としても使われており、このビジョンを提唱している代表的企業が大手VCのa16zである。
Dorsey氏は彼らに対し、「分散化の名のもとにインセンティブを持っていること」へ批判を述べた形となる。
Dorsey氏の発言をきっかけに、他のシリコンバレーの著名人なども続々と議論に参加。Web3.0をめぐる論争には、BoxのCEOであるAaron Levie氏や、VCのJason Calacanis氏なども参戦し、彼らはDorsey氏の意見に賛同している。
一方で、a16zの関係者などはDorsey氏を批判し、Web3.0プロジェクトを擁護する姿勢を見せた。論争に便乗する形で、Dorsey氏がビットコインに過剰に傾倒していることを指摘する人や、ベンチャーキャピタルの資金を利用して自分の会社を立ち上げたことを「偽善者」呼ばわりする人も出てきている。
Dorsey氏は、Web3.0の支持者が薄情であると言及。反発を一身に受けながらも、VCの支配に対する警告をさらに強めた。
議論の中でDorsey氏は、a16zのDixon氏に対し「私はあなたのシステム理解を信じている。個人や機関のためではなく、より大勢の人が安全で快適に使うことのできる技術の発展にエネルギーを集中させることが重要だ。」と述べた。
【参照URL】https://twitter.com/jack/status/1473139010197508098
株式会社techtec リサーチチーム
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