三越伊勢丹ホールディングスは7月1日から、国内グループ百貨店全店で同社の食品レジ袋とプラスチック製買物袋を順次廃止すると発表した。食品フロアでは有料の紙袋を販売し、それ以外のフロアでは紙袋の無料配布を継続する。容器包装リサイクル法の関係省令改正に伴い、企業のサプライチェーン(事業活動全体)における地球環境に配慮したサステナブルな取組みの一環として実施する。
三越伊勢丹グループが2019年2月に実施した「お客さま(WEB会員)サステナビリティアンケート」では、「環境負荷につながる過剰な包装材の使用を削減するために賛同できる取組み」として「マイバッグの持参」が最上位の回答となった。これを受けて将来的には、マイバッグ持参率3割を目標とする。なお、食品フロアの有料紙袋は従来の紙製袋より強度と耐久性を上げており、三越・伊勢丹のれん共通デザインを採用する。取組先(ブランド)ショップが提供する食品レジ袋は有料となる。
新しい紙袋は日本製、厚みが従来の1.2倍で、撥水加工を施す。素材は環境に配慮した「FSC認証紙」を使用。FSC認証紙は、国際的な非営利団体FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)の基準に則り「森林破壊や違法伐採等の環境・社会的な問題のリスクの低い原材料が責任を持って調達され、使用されている」と認証されたことを示す。
サイズと価格は大(幅320ミリ、高さ340ミリ、奥行き180ミリ)が税込50円、小(幅250ミリ、高さ260ミリ、奥行き140ミリ)が同30円。販売対象は全国18店舗の食品フロア、首都圏三越伊勢丹全店6店舗、グループ店舗の12店舗。ジェイアール京都伊勢丹、岩田屋本店、岩田屋久留米店はオリジナルのデザインを使用する。
また、同日から三越と伊勢丹各店舗では、リサイクル素材からできたポリエステル製のオリジナルコットンバッグを発売する。価格は税込900円。約17リットルの容量があり、折り畳んで持ち運べる。デザインはブラックベースに「MITSUKOSHI ISETAN」のロゴ入りと、伊勢丹の象徴であるタータンチェックの2種。
三越伊勢丹グループは、「持続可能な社会・時代をつなぐ」を重点取り組みの一つに挙げている。このたび、プラスチックや紙も含めた「資源の総量の抑制」を目的に、食品レジ袋とプラ製買物袋の配布を廃止することで、‟マイバッグの利用と持ち歩き“がスタンダードなライフスタイルとなるよう顧客に理解を求めていく。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
最新記事 by HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム (全て見る)
- TBWA HAKUHODOが子会社「地球中心デザイン研究所」設立。マルチスピーシーズ視点で持続可能なデザインへ - 2024年10月5日
- 【9/19開催】サーキュラーエコノミー特化型スタートアップ創業支援プログラム「CIRCULAR STARTUP TOKYO」第二期説明会 - 2024年9月25日
- 【10/8開催】東京・赤坂からサーキュラーシティの未来像を模索するカンファレンス&ツアー「Akasaka Circular City Conference & Tourism」 - 2024年9月19日
- 【9/19開催】サーキュラーエコノミー特化型スタートアップ創業支援プログラム「CIRCULAR STARTUP TOKYO」第二期説明会 - 2024年9月10日
- PRI(責任投資原則)がインパクト志向金融宣言の賛同機関に参加 - 2024年8月5日