IMFが暗号資産に対する国際的な規制の必要性を指摘

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世界の金融安定性の維持に注力している金融機関の国際通貨基金(IMF)は12月10日、暗号資産に関するグローバルな規制の枠組みを確立するための提案を公式ブログで発表した。

暗号資産の利点を活かしつつ、そのリスクを軽減するために「包括性、協調性、一貫性」のあるアプローチを求めた形だ。IMFによると、国際間で暗号資産を規制するには、以下の3つの大きな要素が必要だとしている。

  1. 暗号資産サービスプロバイダーのライセンス制度の導入
  2. ユースケースに合わせた規制要件の調整
  3. 銀行などの既存金融機関に対する暗号資産保有に関する資本要件や制限

暗号資産取引所のライセンス導入については、これまでの金融サービスプロバイダーと同様に、準備金、資産保管、転送、決済、カストディなどの規則に対して認可を設定すべきであるとしている。

規制要件の調整については、暗号資産とステーブルコインの使用方法を設定したうえで、暗号資産取引所などに認可を与え、投資向けのサービス・商品は証券規制当局が管理し、決済向けのサービス・商品は中央銀行もしくは決済当局が管理するように区別すべきとのことだ。

また、規制対象となる金融機関に関しては、暗号資産への関与について、エクスポージャー(ある資産の価格変動に影響を受ける金額の割合)の制限、投資家の適合性、リスク評価などの明確な要件を掲示すべきである、とも言及している。

IMFはこれまでに、暗号資産業界の急速な成長に伴う様々なリスクに対応した政策の必要性を提唱してきた。暗号資産が法定通貨に取って代わり、為替規制や資本管理措置を回避する「Cryptoization(暗号化)」のリスクを強調し、発展途上国などでの暗号資産の使用増加に対して、「経済を不安定にし、中央銀行の金融政策を妨げる可能性がある。」と警告した。

今回の発表に関して、IMF職員で今回の公式ブログ記事を執筆したTobias Adrian氏、Dong He氏、Aditya Narain氏の3名は「暗号資産やそれに関連する金融システムへのリスクを完全に解決するとともに、有用な暗号資産製品やアプリケーションを実現する環境を整えるため、包括的な国際基準が必要である。」と述べている。

【参照記事】​Global Crypto Regulation Should be Comprehensive, Consistent, and Coordinated

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec