歯科医療機器・材料を提供する米ヘンリー・シャインは、米国歯科医師会(NDA)およびシャトナー財団とともに、恵まれない地域の歯科医師を支援し、地域医療格差の解消につながる取り組みを推進している(*1)。
3社が共同で実施しているS.M.I.L.E.ヘルスケア・パスウェイ・プログラムは、3年間のパイロット・プログラムの一環として、多様な背景を持つ学生と歯科専門家をペアにすることで、口腔衛生の公平性を高めることを目的とする。歴史的に歯科医師としての地位が確立されていない背景を持つ学生を、歯科医師の道に進ませることを目指すプログラムであり、ちょうど2年目を終えたばかりだ。
7月7日から12日にかけて実施した2024年プログラムには、アラスカ、アリゾナ、アラバマ、ネブラスカ、テネシー、テキサス、ワシントンDCから35人の中学3年生と高校1年生が参加した。
2024年プログラムには、ヒスパニック、アラスカ・ネイティブ、アメリカン・インディアン、先住民という民族的背景を持つ学生が参加した。Hispanic Dental Associationやthe Society of American Indian Dentists、Meharry Medical College School of Dentistryなどの組織とも緊密に連携した。
プログラムは技術的な指導にとどまらず、口腔衛生格差のより広い社会的な意味を探求するものとなる。参加した学生たちは、地域社会に影響を及ぼす不公平に対処する方法についても知識を得た。
1週間の研修プログラムを通して、学生たちは経験豊富な歯科専門家と歯科学生による指導や助言を受け、実践的な手技・スキルを身につけ、歯科医療における多様なキャリアの可能性を見出すなど、充実した体験を得た模様だ。
NDAは同プログラムを通じ、単に口腔衛生の公平性を促進するだけでなく、地域社会に真に永続的なヘルスアウトカムをもたらす触媒になると見ている。
ヘンリー・シャインのチーフ・コーポレート・アフェアーズ・オフィサー(CCAO)は「現在は黒人の歯科医師は歯科医師全体の僅か3.8%であるが、一般人口の14%を占めている。このような格差はマイノリティのコミュニティ全体に広がっており、治療へのアクセスやキャリアの機会を妨げている。S.M.I.L.E.プログラムは、口腔医療業界における多様性を高めることを目的とした、弊社と私たちのパートナーによるイニシアチブのひとつに過ぎない。私たちは学生たちの関心を喚起し、次世代の口腔保健専門家を養成していく」と述べた(*1)。
【参照記事】*1 ヘンリー・シャイン「Henry Schein, National Dental Association, and Schattner Foundation Advance Dental Careers in Underrepresented Communities」
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