グローバルに事業を展開する暗号資産取引所FTXは1月14日、「FTX Ventures」と称した投資部門を設立し、20億ドル規模のファンドを立ち上げたことを発表した。
プレスリリース内でFTX Venturesは、ソーシャル、ゲーム、フィンテック、ソフトウェア、ヘルスケアにわたる幅広い領域で、グローバルブロックチェーンとWeb3.0の採用を進めるとの方針を公表している。
また今回の投資部門の設立に伴い、新事業部門とファンドのリーダーとしてAmy Wu氏を採用したことも明らかにされた。Amy Wu氏は、前職で大手ベンチャーキャピタルLightspeedのパートナーを務めていた人物だ。
Lightspeedは100億ドルに及ぶ資金を運用している大手ベンチャーキャピタルであり、Epic Gamesや1047 Gamesといったゲームスタジオにも投資実績がある。2021年11月には、FTXやSolana Venturesと共に1億ドル規模のメタバースファンドを開始していた。
今回のファンド設立について、Wu氏は「このファンドが暗号資産市場の企業に戦略的、集中的な賭けをすることになる」と述べている。また投資方針については、必ずしもFTXの戦略と結びついているわけではなく、ブロックチェーン技術の活用を重視する方針であるとしている。
近年、暗号資産関連企業による投資の流れは加速している。Coinbaseは2018年に独自のベンチャー事業「Coinbase Ventures」を形成し、NFTマーケットプレイスOpenSeaなどの数多くの暗号資産プロジェクトに投資を行ってきた。
それだけでなく、既存の大手VCであるParadigmやa16zなども新たに数億ドル規模のファンドを立ち上げている。直近では、NFTインフラ事業を行っているAlchemyが2021年末にベンチャー部門の設立を公表した。
暗号資産関連データを提供するThe Blockによると、2021年には1,700件もの暗号資産関連投資が行われ、約251億ドルの資金が暗号資産業界に流入している。今後、FTXのようにベンチャー部門を設立する暗号資産関連企業は増加すると考えられる。
【参照記事】Launching FTX Ventures
株式会社techtec リサーチチーム
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