FRB議長「暗号資産を禁止する気はない」と発言、前言を撤回

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米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、9月30日に下院で開かれた公聴会で「暗号資産を禁止する気はない」と発言した。これは、一部議員からの質問に対する回答になる。

パウエル議長は7月の公聴会で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を開発することにより、暗号資産やステーブルコインの必要性はなくなるといった主旨の見解を示していた。これに対して、暗号資産肯定派のテッド・バッド議員が、「暗号資産の禁止あるいは制限する方針なのか」という質問を提出。今回の公聴会でパウエル議長が改めて見解を述べた。

パウエル議長は、7月の公聴会での発言はすぐに誤ったものだと思ったと説明し、暗号資産を禁止または制限する見解はないと明確化している。一方で、引き続きCBDCの必要性は認識しているといい、ステーブルコインについては動向を監視する必要があるとした。

ステーブルコインは、銀行機能と類似する側面を有しているにも関わらず、現在は規制が整備されていない。この点について、パウエル議長は早急な規制の整備が必要と考えているようだ。

また、FRBは暗号資産を禁止または制限する権限を持たないと補足した上で、禁止または制限を議会に提案することはできるとも述べている。

米国では暗号資産に関する規制の厳格化が予想されている中、28日には議員7名による連名でパウエル議長宛に書簡が提出されていた。書簡では、暗号資産やステーブルコイン、CBDCの規制を明確化するよう求める内容が記載されている。

具体的には、以下の4点について10月15日までに回答するよう要求した。

  • 米国における金融イノベーションの優位性を維持するために、関係省庁はどのように連携するのか
  • FRBは、銀行に対して暗号資産カストディを含む規制を明確にすべき
  • CBDCに関する調査結果の発表時期はいつになるのか
  • CBDCは暗号資産やブロックチェーンを衰退させると考えているか

米国では、国全体の規制を整備するFRBなどの機関だけでなく、各州が比較的独立して規制を整備している。暗号資産に関しては、FRBやSECの方針が明確化されていない状況から、各州がそれぞれ異なる規制を整備している状態だ。

マイアミ州では職員の給料がビットコインで支払われたり、ワイオミング州ではDAOを法人として認める法案が可決されていたりする。

【参照記事】Oversight of the Treasury Department’s and Federal Reserve’s Pandemic Response

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec