米運用会社大手ブラックロックとシンガポールの政府系投資会社テマセクが設立したデカーボニゼーション・パートナーズ(Decarbonization Partners)は、第1号ファンドで14億ドル(約2,200億円)の最終クローズを実施した(*1)。
同ファンドには、北米、欧州、アジア太平洋地域の公的・私的年金、政府系ファンド、保険会社、企業、ファミリーオフィスなど、18か国30社超の機関投資家が参画する。日本からもみずほ銀行と三菱UFJ銀行が参画する。
投資家基盤の多様性と厚みは、気候変動分野の投資を巡るグローバルな性質を反映しており、これは同ファンドが世界中に焦点を当てていることと合致する。
ブラックロックのラリー・フィンク会長兼最高経営責任者(CEO)は「多くの国々がエネルギー安全保障を実現しながら低炭素電源への移行を目指す中、エネルギーインフラには莫大な需要がある。グリーンプレミアム(脱炭素化に必要な追加費用)を下げ、より安価なエネルギー転換を可能にし、長期的な収益を投資家に提供できる気候テックへの投資に取り組む」と述べた(*1)。
デカーボニゼーション・パートナーズは2022年に設立された資産運用会社だ。魅力的で長期的な財務リターンを創出すると同時に、測定可能な脱炭素化の成果を生み出す企業に投資することを目指す。
ニューヨーク、サンフランシスコ、シンガポール、ロンドン、パリ、ヒューストンにオフィスを構える。ベンチャーキャピタルやグロースエクイティ投資、ポートフォリオマネジメントの経験豊富なプロフェッショナルを含む25名以上のメンバーで構成されている。
50年までにネットゼロを実現するためのソリューションを提供する次世代企業やレイターステージ(成長後期)のスタートアップが投資対象となる。
同社が組成したファンドは、欧州連合(EU)のサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)第9条に該当し、スケールアップの準備が整ったリスクの低い技術を持つ企業に投資する。
すでに革新的な脱炭素技術を有する7社への投資を決めた。これには、リチウムイオン電池の性能向上を含む持続可能な素材、クリーン水素、低排出バッテリーリサイクル、電気自動車(EV)の管理などが含まれる。
その他、炭素回収・貯留(CCS)、バイオ・低炭素製品、次世代エネルギー、先進モビリティ、デジタルトランスフォーメーションなどの分野を投資対象とする。
【参照記事】*1 Business Wire「Decarbonization Partners Exceeds Fundraising Target With US$1.40 Billion Final Close for Inaugural Fund」
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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