ドイツのデジタルユーロ協会(DEA:The Digital Euro Association)は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)のインフラを構築するためエンタープライズブロックチェーンでクロスボーダー決済のリップル社と提携することを明らかにした。
DEAはデジタル通貨を専門とするシンクタンクで、デジタルユーロに焦点をあてている。DEAの活動としては、技術者や政策立案者、エコノミストらがデジタルマネー関連のトピックを議論するためのコミュニティとプラットフォームを提供している。
リップル社は2021年9月、ブータンのロイヤル・マネタリー・オーソリティ(RMA)と協力して、CBDCのパイロット実装支援を開始していた。また、10月には英国デジタルポンド協会への参加、11月にはパラオ共和国との提携で米ドルと連携したCBDCの開発にも携わっている。
DEA会長のJonas Gross氏は、声明の中で「CBDCの研究は近い将来、政策立案者にとって重要な役割を果たすでしょう。リップルとの提携によりDEAコミュニティの技術的専門知識を拡大させることができます」と言及している。
Ripple社は、CBDCの開発に関して、持続可能なソリューションを強調してきた。ブータンのケースでは、パブリックなオープンソースXRP Ledger(XRPL)のプライベートバージョンを活用することで、パブリックブロックチェーンで得られるよりも制御が効く優位性について述べている。プライベート台帳では、発行、管理、プライバシー、検証を大きくコントロールできるだけでなく、プルーフ・オブ・ワークのブロックチェーンと比べても12万倍のエネルギー効率を誇るという。
DEAもデータ提供を行うCBDC Trackerによれば、CBDCのパイロット実装が行われている地域はカナダのCBDCであるJasperをはじめ、ウルグアイ、南アフリカ、ガーナ、サウジアラビア、UAE、韓国、中国の8か国に及んでいる。
【関連記事】Digital Euro Association partners with Ripple
【参照サイト】CBDC Tracker
仮想通貨取引を始めるなら

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム (全て見る)
- DIMO、HAKUHODO KEY3と提携 日本市場で自動車データの新しい未来を築く - 2025年3月26日
- ReFiで広がるカーボンクレジット市場の未来― KlimaDAO JAPANの取り組みと展望【インタビュー】 - 2025年3月14日
- ReFi×インパクト投資×システミックデザインから見る、新しい経済システムと金融の未来(HEDGE GUIDE / IDEAS FOR GOOD Business Design Lab) - 2025年2月12日
- peaq、次世代AIインフラ企業iGam3の参加を発表 計算基盤の分散化で新たな経済圏へ - 2025年2月5日
- Xpansiv、炭素除去クレジットの専用取引市場を開設 - 2025年2月4日