中国におけるブロックチェーンの今後の成長は同国で綿密に計画された規制と標準化の枠組みに左右されるという見解が、ブロックチェーン業界の専門家により示された。4月10日、CoinDeskが報じた。
このほど中国海南省で開催された2018年ボアオ・アジア・フォーラムでは、クラウドネットワークプロバイダXunleiのCEOであるチェン・レイ氏と、中国人民銀行により発足された自主規制機関である中国インターネット金融協会(NIFA)のブロックチェーン調査ワーキンググループを率いるリ・リフィ氏が中国での最新のブロックチェーンの発展、そしてその技術の将来の見通しを議論した。
同フォーラムで開催されたパネルディスカッションでは、2017年にはテクノロジー企業によるさまざまなブロックチェーンプロジェクトが中国各地で生まれたが、今後の技術成長の鍵を握るのは熟慮された規制枠組みだという専門家による主張が述べられた。
中国で4つの国有商業銀行の1つの中国銀行元頭取でもあるリ氏は、2018年のNIFAの優先事項の1つとしてブロックチェーン利用の規制枠組みの進展を挙げた。リ氏はNIFAはブロックチェーンの使用のための標準化の枠組みと、技術を取り巻くイノベーションを証明する権限を持つ第三者機関の設立を目指しており、「こうした方針がブロックチェーンを専攻する才能の育成と募集を促す」と主張した。
一方、チェン氏も「市場のニーズが引き続き私たちの想像力を駆り立てる限り、技術の発展は決して歩みを止めません。将来のために私たちが必要とするのは、業界全体が従うべき明確な規制のガイドラインだ」と述べた。Xunleiは今年ブロックチェーン業界に参入し、インターネット帯域幅を共有することでトークンを獲得できるサービスを提供する考えだ。
中央政府の権限が強く仮想通貨に厳しい姿勢を見せている中国だが、ブロックチェーン技術に関しては寛容な姿勢を見せていることでも知られている。官民の重鎮から同様の意見が出ている議論の行方が注目される。
【参照記事】China Needs Better Regulation for Blockchain Growth, Experts Say

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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