日本銀行の黒田東彦総裁が1月28日、日本における中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行可否について「2026年までに判断する」と言及した。日本経済新聞が報じている。
今回の発言は、衆院予算委員会において立憲民主党の中谷一馬氏がCBDCに関する質問をしたことに対する回答だ。中谷氏は、2026年までにCBDCの発行について判断材料が揃うかどうかについて質問している。
これに対して黒田総裁は、個人の見解であることを前提とした上で、2026年までに判断できる可能性を肯定した。また、まもなく制度設計の検討も開始する見込みである意向も示している。
加えて同氏は、CBDCの検討を行うにあたり、各国の中央銀行が自国の決済システムの安定性や効率性を確保することが重要と言及。その上で、国境を超えたクロスボーダーの決済システムが構築できる可能性も考慮する必要があると述べた。
日銀は、2021年よりCBDCに関する調査・研究を開始している。具体的には、2021年3月に連絡協議会を設置し、4月より概念実証の第一段階をスタートさせていた。現時点でCBDCを発行する計画はないとしつつも、各国の取り組みに遅れを取らないよう調査および研究を進めているという。
7月には、自民党所属の村井衆議院議員がロイターのインタビューに答える形で、2022年末にCBDCの構想が明確になるとの発言をしている。村井議員は、CBDCについて言及するにあたり、ビットコインやFacebookのDiem、その他ステーブルコインに対して一定の規制が必要との見解を示していた。
日銀の黒田総裁も、過去にビットコインやステーブルコインについて言及している。同氏はビットコインについて、「取引の大部分が投機によって構成されており、裏付け資産を持っていないことから決済手段としてほとんど利用されていない」と述べている。ステーブルコインについては、ビットコインとは「性格が違うもの」との見解を示し、肯定的な意向を見せていた。
【参照記事】日銀総裁「26年までに判断」 デジタル通貨発行の可否
株式会社techtec リサーチチーム
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