世界各国の公共・民間部門、学界の代表者200人以上で構成され、先進技術のガバナンスを形成する世界経済フォーラム第4次産業革命センターに所属するグローバルブロックチェーン評議会は、「ブロックチェーン権利章典」の草案を作成している。1月20日、Coindeskが伝えている。
ブロックチェーン技術はバズワードから実用化フェーズに移行しようとしている。2022年までに予想される支出は124億ドル(IDC社調べ)とされ、Facebook、各国の中央銀行など世界的プレイヤーによる意思決定は、今後数年間にブロックチェーン人口を大幅に増加させる可能性がある。
WEFのブロックチェーン部門の責任者であるシェイラ・ウォーレン氏は、適切に設計されたブロックチェーン技術の権利原則がなければ、重大かつ広範囲な悪影響をもたらすと警告する。
実際に仮想通貨業界はユーザー保護の欠落による悪影響を経験した。2017年~2018年のICO(イニシャル・コイン・オファリング)ブームに、詐欺やハイプ(実現性を考慮していないビジネスモデル)が横行して、多くの投資家が損失を被った。Satis Groupの調査によると、2017年に実施されたICOの80%以上が詐欺とされた。
ウォーレン氏は、ブロックチェーン技術が拡大する際に直面し得る3つの脅威を挙げた。1つはハッキングに代表される「ユーザーにかかるリスク」。2つ目は「革新的な変化が阻害される可能性」、高度な技術者は平等な市場環境を故意に傷つけて自身の優位性を高めることができる。3つ目は「既存のギャップの拡大」、金融包摂に対する期待にもかかわらずブロックチェーンは先進国で発展している。脆弱な人々はさらに排除・搾取される可能性がある。
すべての設計を制御することは不可能だが、ウォーレン氏は技術スタンダードの在り方について、主要なプレーヤー間で調整する余地があると主張する。「ブロックチェーン権利章典:分散化された未来のデザイン原則」は、「仲介者と相互運用性」、「プライバシーとセキュリティ」、「透明性とアクセシビリティ」、「説明責任とガバナンス」の4章で構成されている。
グローバルブロックチェーン評議会は、「ブロックチェーン権利章典」の草案を1月21日~24日にダボスで開催される世界経済フォーラム年次総会で提出し、約1年間かけて完成させる計画だ。
【参照記事】Why the World Economic Forum Is Creating a Blockchain ‘Bill of Rights’
【参照記事】Worldwide Blockchain Spending Forecast to Reach $2.9 Billion in 2019, According to New IDC Spending Guide
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