昨日のマーケットは株式市場は横ばいの動きとなっており、これまで売られていた半導体セクターも一旦落ち着いた格好に。本日の重要指標であるアメリカのCPIを控えて動きづらい日だった。
一方で米国債金利も3.97%まで上昇したが、NY時間には再度3.89%まで低下する動きに。しかし米ドルが売られるわけでもなく、一番売られていたのは日本円という状況。ドル円は前回介入を行った145円台後半の水準を朝方突破して146円に乗せると、ジリ高の動きが終日継続し147円台手前まで上昇する動きと見せている。日本の高官からも円安牽制発言が出ていたが効果はなく、今回のようにジリ高という動きの場合は値動きが大きくないため、介入はないだろうと市場に読まれていた様子。
昨日米国では生産者物価指数が公表され、予想を上回ったことから、引き続きインフレ圧力が残っているということが確認された数字となったが、やはり本日のCPIの方が重要性が高いため、市場のトレンドを作り出すには至らなかった。
また市場で注目されているイギリス市場では今週末にBOEが介入を終了させるということを発表し、昨日イギリス国債の金利が急騰する場面があったが、一点中央銀行が7,400億円の買い入れを行ったことで金利は急低下。
上下に激しい展開が続いているが、買い入れも今週までとなっているため、来週以降を見据えながら、足元の動きに一喜一憂しない方がいいだろう。
ニュースとしてはアメリカの住宅ローン金利の30年固定がさらに上昇しており、6.81%まで上昇。2006年以来の高水準に達しており、アメリカの住宅市場が大きく落ち込んでいる中、住宅ローン金利がどこまで上昇するのかと消費者は懸念している様子。
また一部の報道では今年進み続けているドル高に対して世界的な警戒ムードが広がっており、11月のG20ではドル高是正の協調介入があるかもしれないという噂が出ている様子。足元のドル高進行によってドル建で調達を行っている新興国等では財務が圧迫されることから、現在の水準は容認できないレベルに達し始めている可能性が浮き彫りとなっている。
仮想通貨市場は株式市場が大きく動かない中引き続き値動きがない状態。
先日ビットコインの未決済建玉が大きく増加していることは紹介したが、ファンディングレートがプラス圏で推移している状況を見ると、ロングポジションを保有している投資家が多いということが把握できることから、少し本日のCPIで株式市場が大きく変動する可能性を考えると、ダウンサイドリスクには警戒していた方がいいだろう。どちらにしても本日夜ビットコインはある程度動くと想定される。
また面白い動きとして、先日イギリスポンドが急落し対ドルで最安値をつけたタイミングでビットコインが対ポンドの取引量で急増しており、やはりビットコインが一時的に逃避する先として認識されているような取引が見られていた。
ポジションはEURGBPロング、AUDNZDを利益確定している。
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中島 翔
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