昨日のマーケットは米国株式市場が続伸。昨日はNY時間にECBラガルド総裁と、FRBパウエル議長の会見が同時に行われていたということもあり、株式市場は上下にボラタイルな展開となった。
ECBは市場の予想通りに全会一致で0.75%の利上げを行い、また引き続き次の会合でも0.75%の利上げを否定しないような発言を行っており、この発言によって10月の政策会合でも0.75%の利上げを織り込む動きが、金利先物市場で出ている。また大幅な利上げが必要な指標が出たのであれば躊躇なく利上げを行っていくともコメントしており、今後の利上げ回数としては最低2回は大幅利上げとなり、5回を下回ることになるという予想もコメントしていた。
ユーロドルはECB発表後にそこまで動きがでず、NY時間の引けにかけて、ショートカバーから反発する動きも見られており、1.00台を回復する動きとなった。
パウエル議長の会見はタカ派的な姿勢が維持される程度の内容となっており、一時株式市場は下落で反応したが、トレンドを作るには至らず、大きな影響はなかったと判断してだろう。パウエル議長は短期的な視点でインフレを抑制させることを意識していくことをコメントしており、その発言から考えるとやはり0.75%の利上げは行われるのではないかと考えられている。
シカゴのエバンス総裁は9月の利上げに関して、0.75%の利上げは十分可能性としてはあるという発言を行っており、自身の判断には至っていないとコメントしていた。
9月の利上げ織り込みは急速に0.75%を織り込む形となっており、現在86%の確率で0.75%の利上げを行うということが予想されている。
ドル円は昨日145円をつけることができなかったことから反落しており、一時143円台まで下落。夕方には日本で緊急3者会合が行われ、ドル円はニュースから調整売りが見られ、143円台まで下落したが、結局いつも通りに何もできないスタンスから市場にも見透かされており、144円台まで反発する動きとなり、円売りを止める材料にはならなかった。
米国株のオプション市場では下落に備える動きが急速に加速しており、先週機関投資家が1兆円以上のプットのオプションを購入する動きが出ており、ここまで下落に備えているとなると、逆に下落しにくい環境となっているのではないかと捉えることもできかもしれない。
仮想通貨市場は総じて横ばいの動きとなっており、そこまで大きな動きは出ていない。
ビットコインは19,000ドル付近での推移となっており、イーサリアムもマージの期待を背景にした上昇、そして調整安から再度1,600ドルを回復する動きとなっているが、現在はマージが完了するのを待っている状況か。
個人的に面白い動きだと感じたのは大口のクジラと呼ばれる現物保有者が、証拠金取引のアカウントに現物アカウントから移し替える動きが出ているということ。過去の値動きから見ると大底をしっかりと捉えていることもあり、このタイミングで上昇局面とクジラは捉えている可能性があるため、ここで仕込むこともアリかもしれないと思える動きが出ている。
ビットコインは株式市場次第というのは連日お伝えしているところだが、株式のオプション市場の動きと上記のクジラの動きやオンチェーンを見る限り売り材料が乏しくもなってきている印象なので上方向にいくかという視点を少し持ちつつある。
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中島 翔
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