昨日のマーケットは米国市場がチグハグな動き。リセッションの懸念が強まる中、米国債金利が低下するも米ドルは対主要通貨に対して底堅い展開。株式市場はNASAQやNYダウともに上昇しており、足元は底堅さを見せている。
パウエル議長の発言では前日と変わらずインフレ対策は無条件だというコメントで何がなんでも行う姿勢を示しており、ボウマンFRB理事も7月に0.75%の利上げを行うことを支持する等マーケットが予想している範囲内の内容に終始した。
新規失業保険申請件数は引き続き高止まりする中、PMIは低下しており、景気鈍化の兆候が見られている。またユーロはドイツ、フランスのPMIの数字が悪化したことを背景に大幅下落しており、対円では2円前後の急落を見せている。中尾元財務次官の介入の可能性も排除できないという発言もあり、クロス円も円高に振れている中でユーロ売り圧力が強まったことが値幅を大きくさせた。
チャートで見ると、ドル円はすぐに136円台を回復するというのは難しく、またFRBの7月0.75%の利上げも織り込まれていることからドル高で推移するにはプラスの材料が必要な環境か。
世界的に自国通貨高に持っていくような政策になりつつあるため、ここからは遅れて利上げを行ってくる国と、既にある程度利上げを進めてしまった国の動きでトレードの方向が決まりそうな状況。
日本でも消費者物価指数がコアCPIで2.1%を記録しており、参議院選挙では物価上昇に対しての政策も焦点となっていることから、政策変更を行って物価上昇に歯止めをかける声が高まると可能性があることは頭に入れておきたい。
仮想通貨市場ではビットコインは21,000ドル台を回復。
本日はオプション市場である程度大きいポジションが満期となることとなっており、20,000ドルを割れるかどうかが大きなポイントとなっている。20,000ドルを下回る水準で終わった場合は6億ドル以上の利益をもたらすことになるため、現物市場で無理やり価格を押し下げてくるか注目。またプロシェアーズのビットコインのショートのETFの取引量が増加してきており、引き続きヘッジ需要のフローがETFで観測されている。
ビットコインと米国株の相関係数は引き続き高いままであり、ビットコインのメジャーSQとなっていることから、本日はロールオーバーの需要もあり、上値が重いままの可能性がある中、株式市場が下落した場合は連れ安となりやすい環境。一方で翌週からは上昇しやすいアノマリーを活かしてトレードすることもありか。
ポジションは前日と変わっていない。
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中島 翔
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