拡大するYELLTRON(エルトロン)の地域通貨事例、愛知県新城市の「新城コイン」とは?

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近年、地域復興のために、ブロックチェーンを活用した地域通貨が活用される事例が増えています。

愛知県新城市では、22年11月から23年1月にかけて、新城コインの実証実験が実施されました。トークンを活用したデジタルマーケティング事業を展開する株式会社YELLTRONが技術提供を行い、地域通貨発行プラットフォームYELLtumで新城コインを発行、導入キャンペーンも開催しています。

この実証実験は本格導入を見越しての取り組みで、Web3を活用した観光拠点の再生事業と高付加価値化を狙う事業と位置づけられています。今回は、愛知県新城市とYELLTRONが取り組んだ新城コインの実証実験について詳しく解説します。

目次

  1. 愛知県新城市の新城コイン実証実験とは
  2. 新城コインとは?
  3. YELLtumのエコシステム
  4. YELLTRONの会社概要
  5. YELLTRONとJリーグ・大宮アルディージャ
  6. まとめ

①愛知県新城市の新城コイン実証実験とは

愛知県新城市は、新城市への初来訪・再来訪の促進を目的としてYELLtum(エールタム)の決済システムを導入しました。実証実験は、「本システムの有用性を示し、本格導入後の参画事業者を増やす」ことを目的としています。また本格導入後は取得したデータを初来訪・再来訪を促す持続的取組の根拠として利用する方針です。

ブロックチェーンを基盤としたトークンを利用することで、誰が、どこで、何をしたのかを把握することがデータとして可視化されます。初来訪者、再来訪者が新城市のどこに魅力を感じたのかを地元人の新たな気づきに繋がり、最終的に「観光まちづくりによる新城ツーリズムの開拓」を実現することが可能になります。

②新城コインとは?

新城市の新城コインとは、YELLtum(エールタム)の決済システムを導入した地域通貨です。加盟店は飲食店、宿泊施設、サービス、小売、娯楽など複数あり、特に新城に旅行に訪れた際に、加盟店舗で決済手段として活用できます。

YellCoin
新城コインのPRの一環として600名限定のコインキャッシュバックキャンペーンが行われました。キャンペーン期間は2022年11月15日~2023年1月15日。新城市の飲食店、宿泊施設、各種サービス業者、娯楽施設などが参加しました。

新城コインを5,000円以上チャージすると、10000新城コインが使用可能になるお得なキャンペーンであり、ツイッター上でも相応の反響があったことが見て取れます。

コインのチャージ方法は、YELLtum(エールタム)の会員登録をタップし、新城コインを選択。クレジットカードで支払うことで完了します。

③YELLtumのエコシステム

地域通貨発行プラットフォームYELLtum(エールタム)では、スポーツチームや企業、街が地域創生を目的に、地域通貨として機能するファントークンを発行できます。エコシステム内の決済手段や、商業や特産物などの地域経済圏でもファントークンを利用できるようにすることで、プロジェクトのファン醸成に加えて地域活性化や地方創生にも貢献していくことを目的としています。

地域通貨のエールコインでは大きく3つのことができます。加盟店での決済利用、来客者やファンの好みやニーズが分析しやすくなるマーケティング、トークンの受け渡しや交換ができるコミュニケーションです。

またエールコインの「YELLtumエコシステム」には、以下のような8つの特徴があります。

  1. 日本円をエールコインに換金する
  2. 応援する街や企業、チームのファントークンを購入できる
  3. エールコインは加盟店で使える
  4. ファントークンでイベントに参加できる
  5. ファントークンでお得なクーポンを獲得できる
  6. スターがいる地域のお店でお得なサービスが受けられる
  7. スターにはファントークンの手数料が還元される
  8. スターとファンの繋がりが可視化される

                                         
エールコインを活用する街やスポーツチーム、企業は、ブロックチェーンを基盤としているファントークンを通じてコミュニティの活性化や地域との繋がりを可視化し、より効率的なデータ活用が可能になります。またエールコインの決済システムの特徴として、地域のショップやスポーツチーム、アーティストへ手数料が還元される仕組みになっています。

導入している側のメリットはもちろん、応援する側もちょっとしたコミュニケーションや買い物でも発行元の応援に繋げることができる特長があります。YELLtumは応援したい想いをファントークンにすることで従来は可視化されなかった繋がりをデザインするとしおり、Web3を使ったこれからの応援象と言えるでしょう。

④YELLTRONの会社概要

2022年4月1日に設立された株式会社YELLTRON(エルトロン)は、ブロックチェーン技術による地域通貨発行プラットフォームを運営するYELLtum事業を手掛けています。

YELLTRONは地域通貨を提供する「YELLtum」を主軸に、web3で扱われる技術を用いてあらゆる事業を行っています。YELLTRONで提供するサービスは全て『可視化』を中心に置き、提供するサービスで様々な『価値』を可視化し、社会課題の解決を行います。具体的には街やスポーツチーム、企業が地域創生を目的に、地域通貨として機能するファントークンを発行できます。

発行されたファントークンは、特定コミュニティ内の決済手段として流通することを目的とします。ファンと地域を繋ぐ架け橋として、密なコミュニケーションが生まれることが期待されており、その結果、地域を巻き込みながら熱狂的にコミュニティが拡大していく可能性があります。

YELLtumはまた、データ分析基盤の提供、ファンエンゲージメントを高めるための公式グッズ制作や公式コンテンツ、クリエイティブ制作までをワンストップで提供することで包括的なサポートを提供しています。

⑤YELLTRONとJリーグ・大宮アルディージャ

YELLTRONの直近の実績では、Jリーグ・大宮アルディージが地域密着の推進を目的としたファントークンを発行しました。YELLTRONは、Jリーグ「大宮アルディージャ」への、ファンマーケティングツール「YELLtum(エールタム)」導入により、地域通貨として機能するファントークン「オレンジコイン」を発行しました。

OrangeCoin

地域通貨・ファントークン「オレンジコイン」の発行は12月3日(土)より開始し、発行開始日にNACK5スタジアム大宮で開催される2022-23 Yogibo WEリーグ 第5節 大宮アルディージャVENTUS vs 三菱重工浦和レッズレディース(14:00キックオフ)では、ファン・サポーター向けのオレンジコイン特設ブース設置及びキャンペーンが実施されました。

大宮アルディージャはスポーツを通じた様々な活動によって地域の発展に貢献すること、地域の皆さまに信頼いただけるクラブとなることを目標に活動を続けていくとしています。また今後「オレンジコイン」が大宮アルディージャと地域の方々を繋ぐ役となり、「オレンジコイン」を購入したファン・サポーターはクラブが提供する限定のキャンペーンへの参加、地域加盟店舗での決済手段として利用できるとのことです。

また、決済に応じてその一部が大宮アルディージャに還元されることで、サポーターによる「オレンジコイン」の利用が直接的にクラブの応援につながります。

その他のYELLtumの導入事例は以下の通りです。身近なところで、知らないうちにファントークンの取り組みが増加していることがわかるでしょう。

  1. 「農業×移住をコンセプトに活動する南紀オレンジサンライズFCが地域活性と持続化を目的としたファントークンを発行」
  2. JFL所属、Jリーグ参入を目指す「奈良クラブ」。YELLtum(エールタム)でのファントークン「ならコイン」発行に合意。
  3. バーチャル・シンガー『te’resa』による初のNFTアイテム『P.O.M*』の4種類のAirDropが開始。
  4. 「シュートボクシング協会」、YELLtumでのファントークン「SBコイン」発行に合意。
  5. ファントークンでお得なクーポンを獲得できる
  6. チームファンだけでなく、地域住民や他地域を巻き込んだ地域創生の実現へ。YELLtum、フードフェスティバルとスタジアムグルメ EC を提供開始。など

⑥まとめ

ブロックチェーンを使った地域通貨は昨今その種類を増やしています。また地域通貨はその地域の加盟店で決済として使えるだけでなく、スポーツチームの応援通貨としても活用することができます。ファンや訪問者はスマホを使って簡単に利用でき、導入側はクーポン発行やサービスの提供、データを可視化しマーケティングに繋げることが可能となっています。またクレジットカードと違って、手数料も少額で抑えられるのもブロックチェーンの特長といえます。気になる方は詳しく調べてみるのが良いでしょう。

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。