仮想通貨トレードで「時間軸を間違える」とは?投資初心者が陥りがちな失敗例を解説

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今回は、仮想通貨トレードの失敗例について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. トレードの時間軸とは
  2. 仮想通貨初心者が時間軸を見誤りやすいケース
    2-1. ニュースでエントリーし、数時間から1日でポジションを決済する
    2-2. 日足のチャートでエントリーし、同日に決済する
  3. 失敗トレードの根本的な原因

仮想通貨(暗号資産)のトレーディングにおいて、投資家の戦略は千差万別です。一つの観点として、資産の保有期間に応じて手法を切り替える方法があります。保有期間が一番短いものから「スキャルピングトレード」、「デイトレード」、「スイングトレード」、「中長期の運用」といった手法になります。

それぞれ期間に応じた戦略が必要となるのですが、投資初心者はこの点を見落としがちで、時間軸を誤って判断しているケースが見受けられます。ここでは、そうしたミスについて解説したいと思います。

①トレードの時間軸とは

最初にトレードの時間軸について解説したいと思います。トレードの時間軸は主に「スキャルピングトレード」、「デイトレード」、「スイングトレード」、「中長期運用」になります。

  • スキャルピングトレード:主に数十秒から数分程度で売り買いを終わらせる超短期トレード
  • デイトレード:1日の間に売り買いを終わらせる短期トレード
  • スイングトレード:1週間程度でポジションを決済まで行うトレード
  • 中長期運用:数ヶ月単位から数年間ポジションを保有するスタイルのトレード

このようにトレードスタイルに色々な種類がある中、スタイルが異なると分析手法も異なります。次に時間軸に関連して、仮想通貨初心者が陥りやすいトレードの失敗例を説明していきたいと思います。

②仮想通貨初心者が時間軸を見誤りやすいケース

1. ニュースでエントリーし、数時間から1日でポジションを決済する

最初の失敗例は、大きなニュースが出たからといって慌ててエントリーを行い、数時間から1日程度で決済するようなトレードです。その時は利益を積み上げても、このようなトレードを行っていてはいつかトータルで損失を被るリスクが高まります。

例えば、イーサリアムで大型のアップデートが公表され、大幅な改善が見られるといったニュースが出たとします。イーサリアムの上昇を期待してロング(購入)ポジションを保有して、利益が数%出たからといって即日決済をしてしまうというトレードは、あまり良くないと言えるでしょう。通常アップデートのようなニュースが出た場合は長期的に利用者が増加することを想定して、大きな値幅を取りに行きます。ところが、利益が少し出た段階で、安心感を得たいがために利益確定しているようなトレードは、典型的な失敗例と言えます。

1日以内にエントリーから決済まで終わらせるデイトレードでは、ニュースをあまり見る必要はありません。短期的なトレーダーのポジションの傾きやポジションの積み上がり方をチェックして判断することが大切です。また、短期トレードの場合は回数をこなしながら損失や利益が出るトレードを繰り返し、トータルで利益を狙うものになります。ニュースでエントリーしてたまたま利益が出たからと利益確定を行うようでは、行き当たりばったりで再現性がありません。

あくまでも、ニュースでエントリーをする場合はそのニュースに合わせて比較的長めにトレード期間を設け、自身で決めたプランに従って決済を行うようにしてください。

2. 日足のチャートでエントリーし、同日に決済する

中長期的な運用では、日足以上のチャートでテクニカル分析を行ってポジションを構築します。それにもかかわらず、ポジションを保有したその日に決済ししようとする方が多くいます。短期的な含み損を抱えることに耐え切れず、安心感を得ようとしているのです。

日足や週足で分析を行っている時点で、同日に決済することはあまり考えません。分析方法に課題があると考えられます。よほどの大ニュースで値動きが生じた場合、決済することが自分の定めたルールに沿っているか考えてみるようにしましょう。

③失敗トレードの根本的な原因

初心者がやりがちな2つの失敗トレードは「人間の心理的な動揺に負けている」という共通項があります。

最初の事例はニュースを見てポジションを取り、たまたま短期的に利益が出たからといって、ポジションを決済するケースでした。含み益を失うということを恐れて、安心感を得たいという心理的な感情から決済を行ってしまっています。

次の事例は、長期的に日足チャートでテクニカル分析を行ってエントリーしたものの、いきなり利益が出たことで、その含み益を失うことに恐怖心を抱き、利益確定を行ってしまうというものです。これも先ほどと同じ心理的な動きからこのような行動を取ってしまっています。

長期投資であればテクニカル分析を行わずにエントリーしても良いでしょう。しかし、短期トレードにおいて、エントリーポイントは周到に判断しないと、継続的に利益を出すのは難しいものです。こうしたトレードで一番大事なことを理解できていない人は、いずれマーケットから淘汰されることになるでしょう。投資の初心者ほどこうした感情に流されたトレードを脱却しないといけません。

心理的な動揺を感じないために、

  • 日中はチャートを見ない
  • ストップロスの注文はエントリー時に入れておく
  • 利益確定の位置を明確に定めてエントリーを行い到達するまで触らない

といった対応も重要になります。

投資初心者の時期は一つ一つのトレードでフィードバックを行うことが大切です。自分自身の弱点を見定めて、対処する作業を是非行ってみてください。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12