今回は、Tenset(10SET)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- Everdomeとは?
1-1.Everdomeの概要
1-2.超リアル・メタバース
1-3.エコシステム - Tensetとは?
2-1.Tensetの概要
2-2.Tensetの特徴
2-3.Tenset独自のサービス - まとめ
リアリティを追求したメタバース「Everdome(エバードーム)」は、2022年を通して3つのフェーズに分けてローンチされることが発表され、ますます注目を集めています。そして、Everdomeのトークンローンチを実施したのがTensetです。
EverdomeはETF2.0を構築するTensetのトークン「10SET」を保有するユーザーを対象にしたトークンセールを実施しました。今年1月に行われたプレセールでは、DOMEトークン1枚あたり約0.096円で販売されましたが、3月1日時点に約5.90円となっており、プレセール価格の約61倍を推移しています。今回は、話題のメタバースEverdomeのローンチイベントの成功に貢献したTensetについて、解説します。
①Everdomeとは?
まずは、Everdomeについての基本事項を解説します。
1-1. Everdomeの概要
Everdomeとは、火星に拠点を置くドーム状の大型都市を舞台にしたメタバース(仮想空間)で、「火星への植民」というコンセプトのもと開発されました。開発チームは、ポーランドのビジネスマンであるロバート・グリン氏を中心に、トレーディングやブロックチェーン技術、仮想通貨などの業界の専門知識を備えたプロ集団です。
Everdomeでは、独自通貨である「DOME」を発行しているほか、仮想空間上の土地を売買・賃貸したり、広告を掲載したり、マーケットプレイスでNFTなどを売買したりすることができるサービスを構築しています。
1-2. 超リアル・メタバース
Everdomeの最大の特徴として、グラフィックのリアリティの高さが挙げられます。Everdomeの運営には、仮想通貨メタヒーロー(HERO)を発行する「MetaHero」と、3Dスキャナーを専門とする「WDW(Wolf Digital World)」が関わっており、両社の技術を利用することで、自分をまるごとスキャンしてリアリティの高いアバターを作成することが可能となる見通しです。Everdomeの開発者であるロバート・グリン氏は、同時にMetaHeroの創設も担っているため、Everdomeではその技術が存分に活用されるとみられています。
また、200台のSonyA7RIVAカメラで被写体の3Dモデルデータの作成が可能な3Dスキャナーを導入しているほか、3Dゲームエンジン「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」を用いているため、現実世界に近いグラフィックの実現が可能です。このように、Everdomeは高度な技術により、他のメタバースプロジェクトの中でもよりリアリティの高い「超リアル・メタバース」として期待されています。
1-3. エコシステム
Everdomeは「Play to earn」のシステムを採用しています。Play to earnとはゲームをプレイしながらお金を稼ぐシステムのことで、Everdomeでの収益の出し方は主に下記4つです。
- 保有している土地のNFTや建物のNFTを売却する
- 保有している土地や建物を貸して賃貸報酬を得る
- 広告運用費用を得る
- ステーキング報酬を得る
将来的に、Everdomeには不動産「Dome-estate」が設けられ、購入や賃貸のほか、不動産の宣伝や不動産のための独自のマーケットプレイス作成ができ、デジタル化された不動産ビジネスのための環境も整備されるということです。
②Tensetとは?
次に、Everdomeのローンチイベントに深くかかわったTensetについて解説します。
2-1. Tensetの概要
Tensetとは、2021年2月にポーランドのチームによって開発されたプロジェクトで、10SETトークンを保持する投資家にETF 2.0ポートフォリオへの幅広いエクスポージャーと、追加の投資機会を提供しています。
Tensetの主力プロダクトはETF2.0と表現される独自トークン「10SET」です。10SETを一定期間ロックすることで、厳選された仮想通貨プロジェクトを集めたローンチパッド・プラットフォーム「GEMS」と、エアドロップ・プール「Infinity」に参加できます。
TensetはメタバースとGameFi分野のベンチャーファンド部門も有し、ETF2.0ポートフォリオとファンドで発生した利益は10SETを買い戻して焼却(バーン)するのに使用されます。なお、EverdomeとMetaHeroのCEOであるロバート・グリン氏は、Tensetの戦略的パートナー及びエンジェル投資家となっています。
2-2. Tensetの特徴
Tensetの特徴は下記の通りです。
①ETF2.0ポートフォリオ
Tensetは仮想通貨市場と株式市場の橋渡し役となることを目的として設立されており、将来的には10SETポートフォリオに株式と仮想通貨の両方を組み込む計画です。なお、現在のポートフォリオはGEMSローンチパッドでリリースされたプロジェクトを含む、仮想通貨を中心としています。
- ポートフォリオ一覧:Everdome(DOME)、KANGA Exchange(KNG)、Metahero(META)、Ethereum(ETH)、Celsius(CEL)、Uniswap(UNI)、PancakeSwap(CAKE)、etc
②デフレトークン
10SETは「積極的なデフレトークン」と説明されています。発行上限は2億1000万枚と決められており、各トランザクションが行われる度に手数料として2%抜かれ、そのうちの1%が焼却(バーン)され、残りの1%が保有者に均等に配られる仕組みになっているからです。この仕組みは流通量が210万枚になるまで続きます。
③ステーキングが可能
Tensetはステーキングで報酬を得ることが可能です。ステーキングとは仮想通貨を保有してブロックチェーンのネットワークに参加することの対価として報酬が付与される仕組みで、いつでも誰でも参加することができます。
④発行元による買戻し
TensetはETF2.0ポートフォリオ上の資金を、イーサリアム、ステーブルコインなど比較的安全な通貨のステーキングで運用し、得た利益の一部を年4回に分けて買い戻しに使います。買い戻された10SETはバーンされるため、市場供給量を減らして需給を引き締めることが狙いです。
2-3. Tenset独自のサービス
Tensetには、10SET保有者だけが参加できる2つのサービスがあります。
①TENSET GEM(テンセット ジェム)
これは、Tenset社が目をつけたプロジェクトの中でも特に将来性の高い仮想通貨を年に数回リリースするサービスです。10SETを保有している人は決められた枚数を1年間ロックすることで、他のプロジェクトのプレセールに参加できる権利を得られます。
これまでには、ロバート・グリン氏のMetaHeroや、Everdome、仮想通貨取引所「Kanga Exchange(カンガエクスチェンジ)」のプレセールが行われました。Everdomeの際は3000枚の10SETを「Tenset Gem Launch Platform(TGLP)」にロックする「TGLP サブスクライバー」のみがローンチイベントに参加できました。
②TENSET InfinityAirdrop(テンセット インフィニティーエアドロップ)
これは、自身が保有している10SETをロックすることで、その見返りとして注目のプロジェクトのトークンが無料で配布されるパッシブインカム機能です。Infinityで配布されるトークンの中には、まだ上場されていないものもあり、将来的に大きく成長する可能性を秘めています。
このように、10SETをステーキングすることで多様なプロジェクトへの投資が可能となります。
③まとめ
2022年に入りメタバース業界がさらに盛り上がりを見せている中、Everdomeはそのリアリティの高さから特に注目されています。TensetはTENSET GEMのローンチプロジェクトによりEverdomeをリリースしました。Everdomeのローンチイベントの成功に影響されて、DOMEの上場直後のタイミングで10SETも約2倍に高騰したということです。
Tenset(10SET)は仮想通貨データサイトCoingGckoにて、ローンチパッドカテゴリーのナンバーワンにランキングされています。次のGEMも近づいており、TGLPサブスクリプション(残り1900枠:3月15日時点)に参加するために10SETの需要も高まっています。
Tenset(10SET)に投資するには取り扱いのある取引所にビットコインやイーサリアムを送付する必要があります。まずはアプリが使いやすいCoincheckや出庫手数料が無料のGMOコイン等の国内仮想通貨取引所で口座開設することから始めてみましょう。
- 高機能取引ツールが利用できる仮想通貨取引所・販売所
- 取引手数料が安価な仮想通貨取引所5選
- 少額投資に適した仮想通貨取引所・販売所5選
- 投資初心者がビットコインをかんたんに購入できる仮想通貨取引所・販売所6選
中島 翔
最新記事 by 中島 翔 (全て見る)
- 脱炭素に向けた補助金制度ー東京都・大阪府・千葉県の事例 - 2024年10月22日
- 韓国のカーボンニュートラル政策を解説 2050年に向けた取り組みとは? - 2024年10月7日
- NCCXの特徴と利用方法|ジャスミーが手掛けるカーボンクレジット取引所とは? - 2024年10月4日
- Xpansiv(エクスパンシブ)とは?世界最大の環境価値取引所の特徴と最新動向 - 2024年9月27日
- VCMIが発表したScope 3 Flexibility Claimとは?柔軟なカーボンクレジット活用法を解説 - 2024年9月27日