醤油メーカーに投資する方法は?キッコーマン・ヤマサ醬油のESG事例紹介も

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スーパーなどでよく見かける調味料のメーカーの多くも、容器のリサイクルや省資源化、環境保全に貢献する取り組みなどが多く見られ、経営でSDGsやサステナビリティを重視していると分かります。このような食品メーカーに投資をしたいという方もいるのではないでしょうか。

今回は醬油の大手メーカーである、キッコーマンとヤマサ醤油の事例と、投資方法を紹介します。日本の食生活に欠かせない醤油を手掛けるメーカーがどのような取り組みを行っているのか、興味のある方は参考にしてみてください。

※2023年11月10日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。


目次

  1. キッコーマンの概要やESGに関する取り組み
    1-1.キッコーマンについて
    1-2.水環境保全のための取り組み
    1-3.密封ecoボトルの採用
  2. ヤマサ醬油の概要やESGに関する取り組み
    2-1.ヤマサ醬油について
    2-2.顧客の声を商品改良へつなげる取り組み
    2-3.鮮度ecoボトルの導入
  3. 醤油メーカーに投資する方法
  4. まとめ

1.キッコーマンの概要やESGに関する取り組み

醤油といえばキッコーマンをイメージする方も多いのではないでしょうか。キッコーマンの概要やサステナビリティに関する取り組みについて見ていきましょう。

1-1.キッコーマンについて

キッコーマンは1917年(大正6年)に設立され、千葉県野田市と東京都港区に本社を構える醤油メーカーです。売上収益は約6188億円、事業利益は約587億円です(2023年3月期・連結)。

主力ブランドであるキッコーマンの他に、トマト調味料のデルモンテやキッコーマン豆乳などを展開しています。代表的な製品を下記の表にまとめましたのでご覧ください。

カテゴリー 代表製品
醤油 いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ
特選丸大豆しょうゆ
みりん・料理酒 マンジョウ本みりん
マンジョウ米麴こだわり仕込み本みりん
マンジョウ国産米こだわり仕込み料理の清酒
つゆ・ポン酢 濃いだし本つゆ
香り白だし
たれ 我が家は焼肉屋さん
ケチャップ・ソース・オイル デルモンテトマトケチャップ
デリシャスソース
和風料理の素 うちのごはん
飲料 デルモンテトマトジュース
豆乳 おいしい無調整豆乳、調整豆乳

醤油だけでなく、つゆ・たれや料理の素など、幅広い食品を手掛けています。表を見て、いつも使っている商品がキッコーマンだったと改めて気づいた方もいるのではないでしょうか。

1-2.水環境保全のための取り組み

醤油メーカーにとって、水は商品の品質を左右する重要な要素の1つです。製品生産はもちろんのこと、原材料である農作物の生産においても、水は重要な役割を果たします。キッコーマンでは「キッコーマングループの事業は、水に支えられている」としており、水資源の保全は経営上の重要課題と認識しています。

キッコーマングループの工場では、生産活動における用水の使用量の見直しなど、水使用量の削減を目指しています。具体的には麹の加湿方法の見直し、「すすぎ」「洗浄」の過程の見直し、出荷用コンテナの洗浄方法の変更などがあります。

1-3.密封ecoボトルの採用

「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」などの商品では、二重構造のボトルが採用されています。店頭で見たことのある方、日常的に使っている方も多いのではないでしょうか。しょうゆのしぼりたての色・味・香りを、開封後90日間に渡って新鮮に保つ機能があります。

2017年にボトルの主な素材を変更し、はがしやすいラベルと簡単に外せるキャップを採用しています。従来容器より10%軽量化され、リサイクルがしやすくなりました。また2020年度より環境に配慮したリサイクルPET樹脂の使用も開始しました。

参考:キッコーマン「容器・包装の工夫

2.ヤマサ醤油の概要やESGに関する取り組み

キッコーマンと並び、大手醤油メーカーとして知られているのがヤマサ醬油です。

2-1.ヤマサ醬油について.

ヤマサ醤油は千葉県銚子市に本社を構える醤油メーカーで、創業は1645年と300年以上の歴史のある企業です。醤油のほか、調味料や医薬品類の製造・販売も手掛けており、従業員数は864名の規模です(2022年12月時点)。

ヤマサ醤油が販売している製品のうち、代表的なものは下記のとおりです。

カテゴリー 代表製品
醤油 特選生(なま)しょうゆ
絹しょうゆ
特選丸大豆しょうゆ
つゆ・たれ これ!うま!!つゆ
昆布つゆ
そうめん専科
ポン酢しょうゆ 生W(ダブル)おろしぽん酢
まる生ぽん酢
昆布ポン酢

「これ!うま!!つゆ」は、俳優の大泉洋さん主演のCMでおなじみの商品です。「めんつゆと白だしの良い所どり」がコンセプトで、麺類・照り焼き・炊き込みご飯・パスタなど幅広く使える万能のつゆとなっています。

2-2.顧客の声を商品改良へつなげる取り組み

ヤマサ醤油では、購入者から寄せられた意見を商品改良へ活用する取り組みを行っています。「昆布ポン酢360ml」に関して、キャップが開けにくい、液だれするなどの意見が寄せられました。キャップの改善により、開け閉めしやすく、中栓が抜きやすくなりました。注ぎ口も液だれ・液はねを起こしにくくなりました。

「昆布つゆ1Lパック」では、分別の際にキャップが取れないとの指摘がありました。そこでスクリュー式のキャップからワンタッチ式のキャップに変更しました。上ぶたを引き上げてリングを作り、リングに指をかけてキャップを引っ張ると本体からキャップを取り外せるようにしました。

2-3.鮮度ecoボトルの導入

キッコーマンと同様、ヤマサ醤油でも鮮度をキープできるボトルを導入しています。一部商品の容器を、プラスチックからリサイクル可能なペットボトルに切り替えました。ラベルをはがしやすいようミシン目を入れ、使用後のキャップの取り外しもできるようにし、よりリサイクルしやすくしました。

鮮度ecoボトルの開封後の鮮度保持期間は、90~120日と長期間です。美味しい状態で使える期間が長くなることで、フードロス削減にも貢献しています。

3.醤油メーカーに投資する方法

キッコーマンは東証プライム市場に上場しており、個別株式や投資信託などで投資することが可能です。ヤマサ醤油は非上場のため、取引することはできません。

キッコーマンを銘柄として組み入れている投資信託の例は下記のとおりです。

わかみファンド さわかみ投信
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) 三菱UFJ国際投信
ニッセイ日経225インデックスファンド ニッセイアセットマネジメント
DC日本株式インデックスファンドL 三井住友トラスト・アセットマネジメント

※各ファンドの最新の請求目論見書を参照
※組み入れの状況は変更される可能性があります

キッコーマンは日経平均株価に採用されている銘柄のため、さまざまな投資信託で組み入れられています。目論見書に目を通してから、投資するかを判断しましょう。

4.まとめ

醤油メーカーのサステナブルな取り組みと投資方法について、キッコーマンとヤマサ醤油の事例を紹介しました。水をはじめとした環境保全、商品の利便性向上などの取り組みを行っています。

両社とも工場見学を受け付けており、醤油の製造工程などを見学できます。会社についてもっと知りたいと思ったら出かけてみるのも良いでしょう。

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安藤 真一郎

マーケティング会社に勤務した後、ライター・コラムニストに転身。 さまざまなジャンルの執筆を行う途中でマネーリテラシーの重要性に気づき、現在はマネー・金融分野を中心に執筆活動を行う。投資、資産形成、年金、税制度、ローン、節約、キャッシュレス決済など多数の執筆実績あり。投資に関しては中長期での利益獲得を目指し、米国株式や先進国株式を中心とする投資スタイル。ファイナンシャルプランナー資格保有。