STEPNの2つの仮想通貨「GMT」と「GST」の違いとは?【Move to Earn(動く+稼ぐ)】

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今回は、STEPNの2つの仮想通貨「GMT」と「GST」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. STEPNとは?
    1-1.STEPNの概要
    1-2.STEPNの特徴
  2. STEPNにおけるGMTとGSTの違い
    2-1.GMTとは?
    2-2.GSTとは?
  3. まとめ

22年に入り、世界においてブロックチェーンゲームが急激に盛り上がりを見せている中、日本国内で特に高い人気を誇っているブロックチェーンゲームが「STEPN」です。

STEPNはこれまでの遊びながら報酬を稼ぐ「Play to Earn(プレイトゥアーン)」とは一味違い、動くことで報酬を獲得できる「Move to Earn(ムーブトゥアーン)」という新しい報酬モデルを確立したブロックチェーンゲームです。

STEPNプラットフォームにおいて発行されている2つの仮想通貨(暗号資産)であるGMTとGSTは、ゲームを有利に進めるために重要な要素となっています。そこで今回は、2種類のトークン「GMT」と「GST」について、その概要や特徴を具体的に解説します。

①STEPNとは?

1-1. STEPNの概要

STEPN1
STEPNとは、オーストラリアの「FINDSATOSHI LAB」によって22年12月にリリースされたブロックチェーンゲームで、ソラナをベースとして構築されています。STEPNは現実世界での運動を報酬に変えることができる「Move to Earn」を採用しており、日々のちょっとした運動をゲームに反映させて稼ぐことができるため、従来のブロックチェーンゲームよりもかなり広いユーザー層を獲得しています。

その人気の証拠に、ローンチされて半年未満でユーザー数100万人、DAUは10万人を突破しました。22年第1四半期における利益は約33億円を記録するなど、凄まじい勢いを見せています。また、22年4月29日には国内のテレビ番組でも紹介されるなど、ブロックチェーンゲームやNFTをより多くの人々に広める立役者的な存在となっています。

1-2. STEPNの特徴

①シンプルなMove to Earn

従来のブロックチェーンゲームの多くは、敵を倒したりクエストをこなしたりすることで報酬を獲得できるタイプのものがほとんどでしたが、STEPNは難しい操作やルールなどが存在せず、基本的にはNFTスニーカーを購入し、現実世界でウォーキングやジョギングといった簡単な運動を行うことで報酬をゲットできる非常にシンプルなシステムです。

そのため、ユーザーはスニーカーさえ購入すれば、日常生活の運動をするタイミングでSTEPNを起動するだけで、報酬を稼ぐことが可能というわけです。

②マルチチェーンに対応している

STEPNは22年4月18日にアプリケーションのアップデートが実施され、新たに「BNBチェーン」が追加されたことにより、マルチチェーン対応がスタートしました。現在、STEPNはソラナチェーンもしくはBNBチェーンを選択できるようになっており、今後も引き続き対応チェーンを増やしていくと説明しています。

なお、現段階では、ソラナチェーンとBNBチェーン間におけるNFTおよび資金の移動はできないため、注意が必要です。

③招待コードが必要

STEPNはユーザー数が急増したことを受けて招待制の導入をスタートしており、新しく始めるユーザーは招待コードが必要となりました。なお、招待コードは公式のディスコードやテレグラムなどで毎日一定数が配布されているということです。

④2種類のトークン

STEPNには「GMT」と「GST」という2種類のトークンが存在し、STEPNにおいて報酬として獲得できます。GMTに関しては海外の大手仮想通貨取引所である「バイナンス」にも上場されており、実際に日本円などに換金することも可能です。

これら2種類のトークンの特性を理解することは、STEPNにおいて効率よく稼ぐためにも重要なポイントの一つとなってくるため、次の項目でさらに詳しく解説していきます。

②STEPNにおけるGMTとGSTの違い

2-1. GMTとは?

GMT(Green Metaverse Token)はSTEPNにおけるガバナンストークンです。保有することで、今後の方針などに関する意思決定の際の投票権を獲得することができます。

GMTはガバナンスへの参加権の他にも、下記のようなユーティリティがあります。

①スニーカーのレベル上げ

STEPNでは、使用するスニーカーのレベルや属性によって報酬獲得の効率が変わります。そして、GMTはこのスニーカーのレベル上げの際にGSTとともに必要となるトークンです。各レベルごとに必要なトークンの種類や数は異なりますが、GMTがなければレベルアップができないため、非常に重要なトークンと言えます。

②スニーカーのミント

ゲーム内において2足以上のスニーカーを保有している場合、2足を掛け合わせて新たなスニーカーをミント(作成)することが可能です。なお、その際ミント手数料としてGMTが必要となります。

③ジェムのレベル上げ

ジェムとはスニーカーに装着できるNFTアイテムで、ジェムによってスニーカーのスペックを強化することができます。ジェムはそれ自体のレベル上げも可能で、レベル4以上のアップグレードにはGMTが必要となります。

④シャーデンフロイデ

シャーデンフロイデは22年6月頃に実装が予定されている新機能です。他のユーザーが高品質の靴箱から低品質のスニーカーを受け取ったり、ジェムのアップグレードに失敗したりといった不運な出来事に見舞われた際にGSTをリターン報酬として受け取れるシステムです。このシャーデンフロイデへの登録の際に、GMTが必要と説明されています。

⑤スニーカーの属性ポイント

STEPN2
こちらも今後実装予定の機能です。現段階ではレベルアップの際にいくつかの属性ポイントをゲットすることができ、それらを自身の好きな属性に追加することが可能です。

そして、今後このスニーカーの属性ポイント機能が実装されれば、すでに振り分け済みのポイントをGMTを使用して取り出し、再分配することが可能になるということです。

2-2. GSTとは?

GST(Green Satoshi Token)はSTEPNにおけるゲーム内ユーティリティトークンの役割を担っており、報酬として獲得できるのもこのGSTです。

GSTはこのほかにも、下記のような用途があります。

①スニーカーのレベル上げ、ブースト

GSTはGMTと同様、スニーカーのレベル上げに必要なほか、レベル上げにかかる時間を短縮できる「ブースト」に使用することもできます。

②スニーカーのミント

前述の通り、ゲーム内ではスニーカーのミントが可能ですが、その際の手数料としてGSTが必要です。

③ジェムのレベル上げ

ジェムのレベル上げの際も、GMTとともにGSTが必要となります。

④ミステリーボックス開封時間短縮

STEPNではプレイ中にまれに「ミステリーボックス」を拾うことができ、GSTやジェムなどをゲットできます。なお、ミステリーボックスの開封には一定の待機時間が定められていますが、GSTを利用することでその待機時間を短縮することが可能です。

⑤スニーカーの修理

スニーカーは何度も使用することによって修理が必要となります。この修理の際に必要なのがGSTで、GSTを消費することによってスニーカーを回復させることができます。

⑥スニーカーソケットの解除

スニーカーにはジェムを装着するためのソケットが用意されており、初期段階ではソケットは全てロックされています。これらのソケットはレベルアップやGSTによって解除され、対応するジェムを装着できるという仕組みになっています。

③まとめ

STEPNは世界中で大きな旋風を巻き起こしており、それに伴い利用者が増加しています。このことは、GMTやGSTの供給量にも影響します。

GSTの最大供給量に制限はありませんが、ゲーム内で使用された分をバーン(焼却)することでインフレを防いでいます。一方のGMTの最大供給量は60億枚と決まっており、4半期ごとに利益を使用して流通市場から買い戻し、バーンを実施することになっています。

STEPNは今後も様々な機能のリリースや有名ブランドとのコラボを控えているため、ますます注目を集めると考えられます。Move to Earnのコンセプトを作ったSTEPNの動向は、今後もチェックしていきたいところです。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12