初心者でも分かる3つのNFT販売方法とそのメリット・デメリットとは?

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今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社の赤澤直樹 氏から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. NFTを販売するには?
  2. NFTの販売方法にはバリエーションがある
    2-1. 定額販売
    2-2. イングリッシュオークション
    2-3. ダッチオークション
  3. まとめ

NFTを発行し販売する方法はここ数年で一気に簡単になりました。特にマーケットプレイスでは、アーティストやクリエイターでなくても気軽に発行・販売できるため利用者も増加しています。しかしその一方で、初見のユーザーを最も困惑させるのは販売方法の選択ではないでしょうか?

この記事では、マーケットプレイスにおける発行から販売までの基本的な手順から販売方法の選び方まで解説します。

1. NFTを販売するには?

マーケットプレイスによって具体的な手順はまちまちですが、概ね以下のような手順が一般的です。なお、もちろん自分でスマートコントラクトを書いてNFTを独自で発行し、それをマーケットプレイスに出品することも可能ですが、若干技術力が必要になるためここでは割愛します。

  1. NFTにする素材(画像や動画、音声ファイルなどのデータ)を用意する
  2. マーケットプレイスで画像やNFTの説明文などを入力しアップロードする
  3. ロイヤリティをはじめカスタマイズ設定を行う
  4. 販売方法を選択する
  5. 出品する

例えば、OpenSeaの場合以下のような画面がまず表示され基本的なNFTの情報を入力します。

その後、個別のNFT発行のためのより詳細な設定を行い発行までの手順を進んでいきます。

その後、作成したNFTのページへ進み販売する為のボタンを選択することで販売方法の設定に進むことができます。この例はOpenSeaのものですが、Raribleのような他のマーケットプレイスでも同じように発行したいNFTの情報を入力する必要があります。

さて、ここで画像や動画、音声ファイルのようなデータをNFTにしたり、説明文を入力したりする部分は比較的一般的な手順であるので、解説をみながら進めるなどすれば大丈夫かもしれませんが、多くの人が詰まってしまうのは販売方法の設定ではないでしょうか?

2. NFTの販売方法にはバリエーションがある

NFTの販売と一口に言っても、色々な種類があります。NFTの特性によって適切な売り出し方を選ぶ必要がありますが、そのためにはそれぞれの販売方法の特徴について知る必要があります。ここからは、NFTの販売方法3つとそれぞれの性質について解説していきます。

① 定額販売

これは文字通り、定額(1ETHなど)で販売する方法です。シンプルで価格がわかりやすい販売方法なので、よく利用されています。例えば、OpenSeaだと「Set Price」という欄を選択し金額を設定することで定額販売が可能です。

とかくNFTというと高額で売買取引が行われたことがフィーチャーされますが、定額販売のNFTも相当数流通しています。価格が分かりやすいため取引が行われやすく、売買が成立したらすぐに購入者の元へ届けられます。

定額販売の注意点は、その価格が適正な価格でなかった場合やニーズがなかった場合には販売がいつまで経っても成立しない可能性がある点です。例えば2次流通の際に、自分が購入した価格より少し高い価格で設定するなど基準となる価格がある場合は設定しやすいですが、初めて販売する場合(1次販売)はある程度慎重に値付けした方がいいでしょう。

逆により多くのファンやユーザーに届けたい場合、購入しやすい価格を設定し複数個販売を行うことで取引できるようにすることも一考です。

② イングリッシュオークション

この方法は、購入したいユーザーに入札をさせてだんだん価格が「上がっていく」方式のオークションです。よくニュースになるような高額な売買実績があるNFTはこの方式で売り出されたことが多いです。OpenSeaだと「Highest Bid」という欄を設定することでこの形式での売り出しが設定できます。

画像を見て分かる通り、ミニマムの価格や期間などが設定できるようになっています。このように期間内に入札を受け付け、最も高額の入札を行った入札者が購入の権利を獲得できます。

この方式は話題になりやすい傾向にあり、ある種のお祭りのような状況を作りやすいものです。期限が間近になると1位と2位の入札者が競り合い徐々に高額の入札へとなる場合もあります。NFTの売り出しをある種のイベントとして展開したい場合はこの販売方式を採用してみるのがいいかもしれません。

オークション形式の注意点として、入札して条件が達成されるまで手に入れることができないためすぐに売ってしまいたい場合には向いていないかもしれません。なお、OpenSeaの場合オークション期間が終了して条件が達成されている場合は自動でNFTがトランスファーされます。また、あまりにも高額の入札ばかりとなってしまうと、一般ユーザーが参加しにくくなるかもしれませんのでこの点も注意が必要です。

③ ダッチオークション

この方法は、購入希望者に入札をさせてだんだん価格が「下がっていく」方式のオークションです。事例としては他の二つと比べてそれほど多くないですが、買い手がつくまで下がるので比較的買いやすくなります。OpenSeaだと「Set Price」を選択して、「Include ending price」を有効にすることでこの販売方式を設定できます。

NFTには相場がはっきりと決まっていないものが多く、定額で販売するにしてもいくらで売り出すのがいいのか検討がつかない場合が多いものです。そこで一定期間を設けて少し高い金額から少しずつ金額を下げていき、買い手がついたら取引成立とすることで比較的スピーディーに取引することが可能になります。

OpenSeaの場合、価格を下げていっても買い手がつかなかった場合は売り出しがキャンセルになるので注意が必要です。

まとめ

NFTの販売はマーケットプレイスの充実によって比較的簡単になってきました。しかし、実際に販売するとなると一番詰まってしまうのが販売方法の選択ではないでしょうか。NFTの販売方法には複数の種類があり、NFTの特性によって使い分ける必要があります。

出品する場合は、NFTの特性を考えて最適な方式を考えましょう。また反対に購入する場合は、購入までのルールやプロセスに十分注意して利用するようにしてください。

ディスクレーマー:なお、NFTと呼ばれる属性の内、発行種類や発行形式によって法令上の扱いが異なる場合がございます。詳しくはブロックチェーン・暗号資産分野にお詳しい弁護士などにご確認ください。

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Fracton Ventures株式会社

当社では世の中をWeb3.0の世界に誘うことを目的に、Web3.0とDAOをテーマに事業を行っています。NFT×音楽の分野では、音楽分野のアーティスト、マネジメント、レーベルなどとNFTを活用した新しい体験を図るプロジェクトを行っています。