今回は、Everdome(エバードーム)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- Everdomeとは?
1-1.Everdomeの概要
1-2.開発チーム
1-2.ポーランドのIT産業 - ハイクオリティなメタバース
2-1.Everdomeの特徴
2-2.Everdomeのエコシステム
2-3.Everdomeの不動産
2-4.Everdomeで使用されるトークン
2-5.トークンのプレセール - まとめ
近年、インターネット上の仮想空間において、自分のアバターを作成して行動できる仕組みを持った「メタバース」がますます注目を浴びています。そんな中、火星をテーマにした新たなメタバースプロジェクト「Everdome」のローンチが発表されました。そこで今回は、Everdomeの概要や特徴を解説します。
①Everdomeとは?
まず始めに、Everdomeの概要やその開発チームについて紹介します。
1-1. Everdomeの概要
Everdomeはトレーディングやブロックチェーン技術、仮想通貨などの業界の専門知識を備えたプロ集団による新規プロジェクトです。従来のメタバースはアニメーションのような世界観が大半でしたが、Everdomeは現実世界を忠実に再現し、品質の良い商品や企業、著名な人々をプラットフォームへ誘致することが可能になるということです。Everdome内の全ての事業者は、商品やサービスをEverdome内の住人に提供することができるようになっています。
Everdomeは従来のメタバースとして知られる「The Sandbox」や「Decentraland」のようなオープンメタバースで、街ぶらができるタイプのものですが、大きく異なるのは「現実かバーチャルか見分けがつかないほどの超リアルなメタバース」だという点です。
現在、メタバース業界は二極化が進んでおり、前述の「The SANDBOX」や「Decentraland」のようなポップ系 と、「Everdome」や「Bloktopia」のような超リアル系に分かれ始めています。
VR(仮想現実)とAR(拡張現実)の技術は近年凄まじい勢いで進化しており、メタバースを支える重要な技術であることは間違いありません。Everdomeのメタバースは、より臨場感あふれる仮想世界を目指して、「メタバース2.0」のその先にある、リアルを追求した「メタバース3.0」を見据えていると言えます。
1-2. 開発チーム
Everdomeは、ポーランド人の起業家であるRobert Gryn(ロバート・グリン)を中心として開発されました。
ロバート・グリンは、ヨーロッパの大企業である「Codewise」の元CEOで、その会社を売却したのち、仮想通貨の業界へ足を踏み入れました。彼はEverdomeのほか、自分や物をスキャンしてNFT化し、メタバース空間で使用できるようにするプロジェクト「METAHERO」の創設も担っています。
そのほか開発に携わった人物には、初期段階の技術系スタートアップに精通しているジェレミー・ロペス、テクノロジーと音楽、エンターテインメント、スポーツの融合に強いバリーシン、マーケティングおよびブロックチェーン業界に精通しているWojtekなどがいます。
1-3. ポーランドのIT産業
ポーランドは2019年に発表されたハーバード・ビジネス・レビューの「テクノロジー・データサイエンス・ビジネススキル」の国別ランキングにおいて、テクノロジー部門で5位、データサイエンス部門で10位にランクインしました。
ポーランド企業開発庁(PARP)の2019年の資料によれば、ポーランドの主要な都市にはIT教育を提供する大学が複数あり、毎年約2万人の大学入学者がITに関連する分野を専攻しています。
また、2020年5月には、アメリカ・マイクロソフトが、ポーランドでイノベーションとデジタルトランスフォーメーションを加速するための10億ドルの包括的な投資計画を発表しました。
米グーグル社も2021年4月に、中・東欧地域で初の「グーグル・クラウド・リージョン」をワルシャワに設置し、同年10月には欧州最大のクラウド技術開発センターを開設しています。
このように、Everdomeの開発者であるRobert Gryn(ロバート・グリン)を輩出したポーランドはIT産業に力を入れており、現在世界から注目を浴びている国の一つとなっています。
②ハイクオリティなメタバース
前述の通り、Everdomeは「現実かバーチャルか見分けがつかないほどの超リアルメタバース」と言われていますが、ここではその特徴やエコシステムについて解説します。
2-1. Everdomeの特徴
①火星をテーマにしている
Everdomeは「火星への植民」というコンセプトの下、開発されました。名称に「ドーム」がついていることも宇宙への植民を連想させます。Everdomeは一般的なメタバースプロジェクトと同様に、メタバース内の土地を購入したり、アバターなどで楽しむことが想定されています。
②3D技術を駆使したアバター
Everdomeの運営には、3D NFTを作成するプロジェクト技術「METAHERO」と3Dスキャナーを専門とする「WDW(Wolf Digital World)」が関わっており、それらの技術がメタバース世界に取り入れられています。
$HERO @Metahero_io is teaming up with @Everdome_io
✅ Scan yourself with @HERO
✅ #Metaverse 3.0 with @Everdome_ioThere will be a lot of #Metaverses Some will use #Avatars and with $HERO @Metahero_io & @Everdome_io you’ll be yourself. pic.twitter.com/3lbrWHaurB
— Ario (@Ario10940208) November 27, 2021
特にMETAHEROは、一瞬で現実世界のものを3Dスキャンし、仮想世界にモデリングするという最先端の技術であり、この技術を使うことによって、Everdormはリアルで臨場感あふれるアバターや仮想アイテムを再現できます。
モデリングの際、ユーザーの顔の形や大きさを忠実に再現するため、実物そっくりのリアルなアバターの作成が可能です。また、この技術によりアバター用の仮想の靴やアクセサリーなども作成可能で、アバターはそれらを身につけることができるようになっています。
2-2. Everdomeのエコシステム
将来的にEverdomeは、土地取引やマーケットプレイス、広告スペースの開設に対応すると発表しています。詳細は明らかではありませんが、今後、企業や団体による都市開発や商業的なイベントなどが開催される可能性があると考えられます。
2-3. Everdomeの不動産
Everdome内の不動産である「Dome-estate」は、購入や賃貸のほか、不動産の宣伝や不動産のための独自のマーケットプレイス作成ができ、デジタル化された不動産ビジネスのための環境も整備しています。
Everdomeは、ブロックチェーンを基盤としたWeb3.0を最高の形で提供すべく、ユーザーのビジネスを多方面から支援するということです。
2-4. Everdomeで使用されるトークン
Everdomeは、2022年2月8日に独自のトークンである「EVERDOME」を取引所に上場させる予定ですが、どの取引所に上場されるかなどは、まだ発表されていないようです。
2-5. トークンのプレセール
Everdomeは、プロジェクトに関与するMETAHERO社のトークン「HERO」と、統合的なDeFi関連サービスを開発するTENSETのトークン「10SET」を保有するユーザーを対象にしたトークンセールの実施を発表しました。
これに参加するには、対象の仮想通貨のいずれかを期日まで保有し続け、ホワイトリストに登録する必要があります。HERO保有者や10SET保有者は、時期をずらして期間限定で開催されるトークンセールへの参加資格を得られました。
③まとめ
今回のEverdomeのプレセールは1月下旬に終わってしまいましたが、2月8日(火)に一般公開を予定しており、全ての人が取引可能となります。国内のNFTマーケットプレイスでDome-estate(不動産)などを取り扱う可能性もあるので、Coincheckなどの国内仮想通貨取引所での口座開設をいまのうちから行っておくと良いでしょう。
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