カレーのメーカーのサステナブルな取り組みは?ハウス食品・エスビー食品・江崎グリコの事例を紹介

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カレーライスは日本の「国民食」とも言われるほど普及し、大人から子供まで多くの人気を集めるメニューです。

スーパーでよく見かけるカレールーやレトルトカレーを手掛けるメーカーも、サステナビリティやESGの取り組みを積極的に行っています。

今回はハウス食品、エスビー食品、江崎グリコのサステナブルな取り組みを紹介します。食品メーカーへの投資を考えている方は、参考にしてみてください。

※本記事は2023年9月25日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。


目次

  1. ハウス食品の概要やESGに関する取り組み
    1-1.ハウス食品について
    1-2.アレルギーに関する取り組み
    1-3.カレーで食品ロスを減らすプロジェクト
  2. エスビー食品の概要やESGに関する取り組み
    2-1.エスビー食品について
    2-2.持続可能なスパイスやハーブの調達を目指す実証実験
    2-3.「スパイス&ハーブでおいしい適塩」特設サイト
  3. 江崎グリコの概要やESGに関する取り組み
    3-1.江崎グリコについて
    3-2.お客様の声を活かした改善
    3-3.廃棄物からの再利用で飼料や肥料へ
  4. カレーのメーカーに投資する方法
    4-1.個別株への投資
    4-2.投資信託への投資
  5. まとめ

1.ハウス食品の概要やESGの取り組み

1-1.ハウス食品の概要

ハウス食品は大手食品メーカーで、国内のカレー市場でトップのシェアを占めています。多種多様な食品の製造・販売を行っており、特にカレー市場に強みがあります。カレールー、レトルトカレーともに国内シェアNo.1を獲得しています。

参考:ハウス食品「数字で見るハウス食品グループ

ハウス食品で展開している代表的なブランドは下記のとおりです。

カテゴリー 商品
カレールー バーモントカレー
ジャワカレー
こくまろカレー
レトルトカレー カリー屋カレー
プロクオリティ
シチュー・ハヤシ ハウスシチューミックス
完熟トマトのハヤシライスソース
ラーメン うまかっちゃん
好きやねん
デザート フルーチェ
スナック とんがりコーン
オーザック

関連会社のハウスウェルネスフーズでは「ウコンの力」「C1000」などの栄養ドリンクを手掛けています。また、カレーのチェーン店である「CoCo壱番屋」もハウス食品の関連会社です。

1-2.アレルギーに関する取り組み

SDGsの目標の1つに「だれもが健康で幸せな生活を送れるようにしよう」があり、食品アレルギーの研究・対策も重要なテーマです。ハウス食品でも下記のようにアレルギー対策を複数行っています。

  • 原材料に含まれるアレルゲンの厳しいチェック
  • 商品改良でもアレルゲンを増やさない
  • 同じブランドのアレルゲンはできるだけ統一する
  • 製造工程のアレルゲンを管理
  • 商品のアレルギー情報をホームページで公開

アレルゲンの統一に関して「バーモントカレー」や「ジャワカレー」などでは、甘口・中辛・辛口それぞれに含まれる特定原材料7種類のアレルゲンを統一しています。アレルギーを持つ方が、辛さの選択によって食べられなくなる事態を防ぐためです。

1-3.カレーで食品ロスを減らすプロジェクト

ハウス食品では、食品ロス問題にも着目し、「もっとカレーだからできることプロジェクト」を推進しています。冷蔵庫を開けたら賞味期限が間近の野菜や肉などに気づいたことのある方も多いでしょう。期限の近づいた食品をカレーで美味しく煮込むことにより、食品ロスを減らそうというプロジェクトです。

カレーに使える食材は幅広く、野菜・肉・魚をはじめさまざまなタイプのカレーを作れます。ハウス食品のホームページでは、つい余ってしまいがちな食材を使ったカレーのレシピを多数公開しています。具体的な例は以下のとおりです。

  • 豆腐とキャベツのカレー
  • 長ねぎとサバ缶のカレー
  • 大根と白菜のカレー
  • 卵とエビのカレー炒め
  • 肉じゃがをリメイクした和風カレー

どれも身近な食材であり、余ったときに使えるレシピです。参考にしながら自分のオリジナルカレーを作るのも良いでしょう。

2.エスビー食品の概要やサステナブルな取り組み

2-1.エスビー食品について

2023年に100周年を迎えたエスビー食品は、スパイスとハーブを中核とした食品事業を展開しています。カレーやシチューのほか、わさびやからしなどのチューブ、パスタソースもあります。ヱスビー食品の代表的なブランドは下記のとおりです。

カテゴリー 商品
カレールー ゴールデンカレー
とろけるカレー
本挽きカレー
レトルトカレー カレー曜日
ディナーカレー
噂の名店
シチュー・ハヤシ 濃いシチュー
とろけるハヤシ
香辛料 本わさび
ブラックペッパー
七味唐辛子
パスタ まぜるだけのスパゲッティソース
予約でいっぱいの店のパスタソース

2-2.持続可能なスパイスやハーブの調達を目指す実証実験

ヱスビー食品では、特許栽培技術を持つ海外企業と共同で、超省資源型栽培の実証実験を開始しました。同社で取り扱うスパイス・ハーブはすべて植物の一部であり、その持続的な調達は同社における重要課題としています。

共同するCULTIVERA社の持つ栽培技術は、水の消費量を従来よりも大幅に削減することができます。さらに生育環境を常に調整可能なため、水・土の資源消費を抑えながら、栄養価の高い作物を育てることが可能です。

同社の自社試験農場ではまず「わさび」で新栽培技術の実証事件を行っています。持続可能な調達について知見を深め、将来的にグローバルのサプライヤーと連携したいとしています。

2-3.「スパイス&ハーブでおいしい適塩」特設サイト

健康向上のため減塩に取り組む人は多いのではないでしょうか。エスビー食品は「スパイス&ハーブでおいしい適塩」という特設サイトを公開し、減塩しながらも美味しく食べられるレシピ情報を公開しています。

塩分を控えると料理の味がボンヤリして物足りないと感じる方も多いのではないでしょうか。スパイスとハーブを活用することで、料理に香りや辛みを加え、減塩による味の物足りなさをカバーできます。

3.江崎グリコの概要やサステナブルな取り組み

3-1.江崎グリコについて

グリコといえばポッキーやプリッツなどのお菓子で知られていますが、カレーなどの食品も手掛けています。同社の代表的なブランドを下記の表にまとめました。

カテゴリー 商品
カレールー プレミアム熟カレー
ZEPPIN
レトルトカレー カレー職人
LEE
チョコレート ポッキー
LIBERA
GABA
スナック・ビスケット プリッツ
ビスコ
CRATZ
Cheeza
アイス パピコ
ジャイアントコーン
アイスの実
ヨーグルト Bifix
朝食りんごヨーグルト
おいしいカスピ海

3-2.お客様の声を活かした改善

江崎グリコでは、お客様から寄せられた意見を商品改良につなげています。「プレミアム熟カレー」や「クレアおばさんのクリームシチュー」のパッケージでは、重ねて横から見たときに商品名がわからなくなっていました。縦長方向で積み重ねて収納する消費者から不便だという声が寄せられていました。

そこで、正面デザインに対して右側の面に商品名と賞味期限を記載できるよう、デザインの配置を変更しました。積み重ねたときに、商品名と賞味期限の両方が分かるようになり、いちいち箱を取り出さなくても管理できるようになりました。

3-3.廃棄物からの再利用で飼料や肥料へ

江崎グリコでは食品の廃棄を減らすのみでなく、循環までできる仕組み作りを重視する方針です。具体的に神戸工場では、廃棄物となったビスコを工場で粉砕し、豚のエサとして飼料会社に提供しています。飼料で育った豚の一部を同社が買い付けて、神戸工場や隣接する保育園の給食メニューとして出しています。

またチョコレート菓子を製造する工程で発生するカカオの皮は、発行させると肥料として再利用できます。神戸工場では肥料会社へカカオの皮を提供し、肥料として提供しています。

4.カレーのメーカーに投資する方法

4-1.個別株への投資

3社はいずれも東証の上場企業で、個別銘柄に投資することが可能です。日本株取引に関して、SBI証券は9/30の発注分から、楽天証券が10/2の約定分から手数料無料となります。手数料を重視する方にはメリットが大きいでしょう。

4-2.投資信託への投資

3社のいずれかを構成銘柄に組み入れている投資信託を3つ紹介します。

銘柄名 運用会社 含まれるメーカー
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 三菱UFJ国際投信 ハウス食品、江崎グリコ
大和住銀DC日本バリュー株ファンド(DC黒潮) 三井住友DSアセットマネジメント エスビー食品
DC日本株式インデックスファンドL 三井住友トラスト・アセットマネジメント ハウス食品、江崎グリコ

※2023年9月25日時点
※組み入れの状況は変更される可能性があります

3社のいずれかを組み入れている投資信託は、上記以外にも多数あります。投資方針などから、自分に合う銘柄を見つけてみてください。

5.まとめ

カレーのメーカーである大手3社のサステナブルな取り組みを紹介しました。ハウス食品、エスビー食品、江崎グリコのいずれも、自社商品とSDGsの目標をつなげるプロジェクトを行っています。

今回紹介した以外にも数多くの取り組みがあるので、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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安藤 真一郎

マーケティング会社に勤務した後、ライター・コラムニストに転身。 さまざまなジャンルの執筆を行う途中でマネーリテラシーの重要性に気づき、現在はマネー・金融分野を中心に執筆活動を行う。投資、資産形成、年金、税制度、ローン、節約、キャッシュレス決済など多数の執筆実績あり。投資に関しては中長期での利益獲得を目指し、米国株式や先進国株式を中心とする投資スタイル。ファイナンシャルプランナー資格保有。