コインチェックの積立サービスの効果を検証!毎日積立と毎月積立はどっちが高パフォーマンス?

※ このページには広告・PRが含まれています

今回は、コインチェックの積立サービスの効果について、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. コインチェックの積立サービスの効果を検証してみる
    1-1. コインチェックの積立サービスとは
    1-2. コインチェックの積立方式
  2. 毎月積立を行った場合と毎日積立を行った場合の比較
    2-1. 損益分岐点の動き方
    2-2. 月3万円積立を2年間行っていた場合の損益変化
  3. まとめ

仮想通貨市場は2021年はビットコインというよりもメタバースやDAO、NFTやGameFiなど色々なアルトコインが注目され、仮想通貨市場が一気に注目を浴びる年となりました。

2021年年末あたりから少し価格は頭打ちとなっており、現在は調整局面が続いています。これは相場の世界では当たり前の動きであり、一方方向に相場が推移するということは有り得ません。山あり谷ありの動きが続く中でトレンドが形成されていきます。

長期的には仮想通貨市場の未来は明るいと感じている方も多くなってきており、資産運用として仮想通貨を自身のポートフォリオに組み込みたいというニーズの高まりから、コインチェックやGMOコインなど積立サービスを提供している仮想通貨取引所も出てきました。

そこで、本記事ではコインチェックの積立サービスを利用していた場合にどのくらい効果があったかを検証してみたいと思います。

1. コインチェックの積立サービスの効果を検証してみる

1-1. コインチェックの積立サービスとは

コインチェックの積立サービスは「Coincheckつみたて」というサービス名で提供されている、仮想通貨の決まった周期で自動的に購入できるサービスです。購入金額は最低1万円から最大100万円まで設定が可能となっており、1,000円単位で設定が可能となっています。通貨ペアはコインチェックは国内でも最大級の取扱数となっており、申し分ない仮想通貨取引所と言えるでしょう。

下記がコインチェックつみたての概要表です。

取扱通貨

26銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、エンジンコイン、リスク、IOST、SAND、ポルカドット、イーサリアムクラシック(一時停止中)、チリーズ、チェーンリンク、メイカー、エイプコイン、アクシーインフィニティ、イミューダブル、ポリゴン、ラップドビットコイン、アバランチ、シバイヌ

積立金額 月々1万円~100万円の範囲で、1,000円単位
手数料 無料(口座振替手数料、積立サービス手数料)
入金方法 指定の銀行口座から毎月引き落とし

上記の表の中で手数料は無料という表記されていますが、実際にはスプレッドという実質的な手数料がかかる点は注意しましょう。スプレッドとは売りと買いのレートの差のことで、スプレッドは仮想通貨取引所の収益となっています。Coincheckつみたてではこのスプレッドが片道で2%以上かかってくるため、購入する場合と売却する場合に2%以上ずつかかるということは頭に入れておきましょう。

1-2. コインチェックの積立方式

コインチェックの積立では「月イチつみたてプラン」と「毎日つみたてプラン」が提供されています。月イチつみたてプランは月に一度指定した日で自動的に積立を行っていく方法です。毎日つみたてプランは、日々積立を行うということになります。

通常ドルコスト平均法のように投資信託の積立を行っている方もいるかもしれませんが、仮想通貨は投資信託のように値動きが落ち着いている市場ではないため、急激な変動というのは日々発生する可能性があります。そのため、毎日少額を積立したいというニーズに応えるかたちで2つのプランが提供されているようです。

では次に実際にこの2つのプランを利用した場合2021年損益がどのように変化するのか考えてみましょう。

2. 毎月積立を行った場合と毎日積立を行った場合の比較

ここでは2020年から積立を2年間2つのプランで行った場合について考えていきたいと思います。積立を行う通貨はビットコイン1種類で試算しており、積立は計算上毎月1日で積立を行った場合として計算しています。

2-1. 損益分岐点の動き方

まず下記の表をご覧ください。

上記は2020年1月から2021年12月31日まで積立を行った場合の損益分岐点比較です。データは終値を用いており、データを取るタイミングで異なる結果が生じる可能性があることはご了承ください。

上記をチェックすると毎日積立を行った方が、損益分岐点が高くなっているため不利なのではないかと感じる方もいるかもしれません。しかしこのようなチャートとなった理由は2020年から2021年の仮想通貨市場が大きく盛り上がっているためです。2021年12月に価格が下落したタイミングでは毎日積立を行った方が大きく損益分岐点が低下していることがわかるでしょう。

毎日積立を行った場合と、毎月積立を行った場合の大きなポイントは、「曲線の角度があるかないか」という点です。毎日積立を行った場合は日々淡々と同額を購入するため、損益分岐点の変化も緩やかになりますが、毎月積立を行った場合、急激な価格の変化が生じると毎日積立を行った場合のグラフと比較して角度が着くようなグラフになりやすいものです。

上記のチャートをみてもその変化はみて取れるでしょう。

2-2. 月3万円積立を2年間行っていた場合の損益変化

次に月3万円積立を行った場合の損益の変化をみてみましょう。2021年12月31日の終値は5,426,200円として計算しています。

平均購入単価 損益率 損益額
毎月積立を行った場合 6,455,667円 -15.9% -11.4万円
毎日積立を行った場合 5,653,173円 +4.0% +2.88万円

上記の場合、毎日積立を行った場合の方が平均購入単価が大きく低下、プラスでの損益となりました。一方で毎月積立を行った場合は、平均購入単価が毎日積立を行った場合と比較して80万円ほど高くなりマイナスのパフォーマンスとなりました。

この平均購入単価の違いは2021年12月におけるビットコインの大幅下落が起因しています。このように急激に価格が減少する場合には、毎日積立を行った方が低い価格で積立を行うことができるため、平均購入単価を低下させることができます。一方で価格が大きく上昇した場合は逆の効果となりますので注意してください。

このようなデータからわかることは、トレンドが上昇局面では毎月積立を行った方が平均購入単価を低下させることができる一方で、トレンドが下落局面では毎日積立を行った方が平均購入単価を低下させることができるということになります。

この判断だけ間違えないように調整すればより効率的に資産運用としてビットコインを利用することができるでしょう。

※計算上販売所のスプレッドは加味していません。

3.まとめ

最後に、調整などせずに自動的に積立を継続的に行いたい場合どうすればいいのか悩む方は、個人的には「毎日つみたてプラン」で日々行った方がいいと考えています。理由としては上昇局面でも下落局面でも平均購入単価の推移が毎月積立を行う場合と比較して緩やかになるためです。

これから仮想通貨を自分自身の資産運用の一つの手段として行ってみたいという方はコインチェックの毎日つみたてプランでゆっくりと試算形成をしてみてはいかがでしょうか。全資産の5%程度でも仮想通貨を入れておくことによりリスク分散も図ることができるため是非利用してもらうといいでしょう。

【関連記事】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法

The following two tabs change content below.

中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12