Coincheck NFTが扱うArt Blocks(アートブロックス)とは?

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今回は、Art Blocks(アートブロックス)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. ジェネラティブアートとは
  2. Art Blocksとは
  3. Art BlocksでNFTアートを購入するには
  4. Art Blocksの3つのカテゴリー
    4-1.Curated
    4-2.Playground
    4-3.Factory
  5. まとめ

暗号資産(仮想通貨)市場が成長する中で、ジェネラティブアートが比較的新しいNFT(非代替性トークン)の形として注目を集めています。

ジェネラティブアートは60年代に勃興したジャンルで、コンピューターワークで表現した模様や物体の質感を作品に取り入れているスタイルです。ブロックチェーン技術により、スマートコントラクトを実行することでジェネラティブアートを作成できるようになりました。22年4月にはサザビーズ ニューヨークで「Natively Digital 1.3: Generative Art」というジェネレーティブアートNFTメインのオークションイベントが開催されるなど、最新NFTのトレンドになっています。

この記事では、ジェネラティブアートに特化したNFTマーケットプレイス「Art Blocks(アートブロックス)」について解説致します。

①ジェネラティブアートとは

ジェネラティブアートという言葉はまだ知らないという人の方が多いかもしれません。

ジェネラティブアートという用語は、「ある程度の自律性を持って動き出し、完成した芸術作品に貢献するシステムによって生成プロセスを経た芸術作品」を表します。ポイントはアート自体の作成からアーティストを切り離していることで、ジェネレーティブアートは「アーティストと自律システムのコラボレーション」と見ることができます。

ジェネラティブアートNFTとは

そしてジェネラティブアートNFTとは、アーティストがすでに作成した従来のNFTアートとは異なり、NFTの発行時点で姿を表すアート作品です。ジェネラティブアートNFTは、スマートコントラクトによって作成され、スマートコントラクトを実行するために暗号を送信するウォレットアドレスが直接所有するNFTの形式でチェーンに保存できるようになりました。

アーティストはキャンバスに絵を描くのではなく、コンピュータープログラムやアルゴリズムを作成します。作成されたプログラムは、NFTアートが発行される時点でブロックチェーン上に記載されているデータからランダムで画像を生成する仕組みになっています。言い換えると、それぞれのアート作品はアーティストが設定したプログラムや、画像生成の際に取り入れるブロックチェーンデータにのみ依存しています。

ランダムで生成される画像とは言っても、コレクションごとに一環したスタイルや要素は守られています。そのため、アーティストが作品を作成したり、ユーザーが購入を決めたりする時点ではどのような姿のアートが生まれるかがわからない点が最大の特徴だと言えるでしょう。

ジェネラティブアートの例としては、ビットコインの過去24時間のボラティリティの動きを自動的に取り入れ、所定のプログラムに応じて画像を生成する「volatility.art」などが挙げられます。

volatility

この例では、24時間ごとにその時点でのビットコイン相場に応じた画像が生成されるジェネラティブアートの面白みがよくわかるでしょう。

②Art Blocksとは

Art Blocksは、ジェネラティブアートに特化したNFTマーケットプレイスです。イーサリアムブロックチェーンに不変に保存される、真にプログラム可能なオンデマンドの生成コンテンツに焦点を当てたプラットフォームの初期グループの一つです。Art Blocksプラットフォーム全体が1つのスマートコントラクトで実行され、その数百のプロジェクトすべてがそのコントラクトでホストされます。

Art Blocksは、芸術家や美学者が芸術を作成および配布する新しい方法を探求するための新しくて楽しいプラットフォームです。プラットフォームは広範囲に広がり、あらゆる価格帯とスタイルで多様な作品が提供されています。イーサリアムブロックチェーンを活用しているため、NFTアートの購入にはイーサリアムが使われ、購入の取引の際にはガス代が発生します。また、NFTアートの購入は仮想通貨ウォレット「MetaMask」と連携することで簡単に行うことができます。

MetaMaskのウォレット作成方法、OpenSeaへの連携方法について解説【NFTマーケットプレイス導入準備】

ここからは、Art BlocksでNFTアートを購入する方法を簡単に解説いたします。

③Art BlocksでNFTアートを購入するには

ユーザーは、アーティストによる作品集のスタイルや雰囲気をみて、欲しいアートの代金をイーサリアムで支払ってNFTを購入する手続きを行います。ただし、購入手続きの前にはArt Blocksに連携したMetaMask内に十分な量のイーサリアムを入れておく必要があります。

特に、購入手続きの際に発生するガス代には注意が必要です。Art Blocksでは購入したいNFTを選択した後に払えるガス代の上限を指定することができ、上限が大きいほど優先的に購入取引の承認作業が行われます。人気のNFTアートであれば、高いガス代を支払えない限り目的のNFTが先に他の人に買われてしまう可能性があるのです。また、欲しかったNFTアートを他の人に先に買われた場合でも、ガス代は支払う必要がある点にも注意しましょう。

購入の取引が完了したら、アーティストが設定したプログラムにのっとってブロックチェーン上のデータをもとにNFTが発行されます。発行後、NFTは購入者のウォレットに送付されて初めて姿を現します。発行される前のNFTアートを購入する場合は、素晴らしい作品やユニークな見た目のレアな作品を誰でも手に入れられるチャンスが等しくあるのもジェネラティブアートの特徴でしょう。

既製品の購入も可能

Art Blocksではすでに発行されてイメージが確定しているNFTアートも販売されています。例えば、全ての部数の発行が完了しているNFTアートのコレクションなどがそれに当たります。その場合は、ウォレットにNFTが届くまで画像がわからないということはなく、画像を確認したうえで気に入ったものを購入することができます。

また、一度購入されたNFTアートは他のNFTマーケットプレイスで二次販売されていることもあります。大手NFTマーケットプレイスのOpen Seaや国内暗号資産取引所Coincheckが提供する「Coincheck NFT β」では、すでに発行が完了して画像が確認できる作品を購入することができるため、一度チェックしてみると良いでしょう。

④Art Blocks内のプロジェクトとは

Art Blocksプラットフォームには、3つのカテゴリーが存在するので解説します。

Curated

「Curated」には、Art Blockがキュレーションした選りすぐりのNFTアートが集結しています。

ここに展示されている作品は、Art Blockが詳しく調査したうえでArt Blockが掲げるビジョンを象徴すると認められたものとされています。Curatedプロジェクトは四半期ごとにリリースされ、アーティストらは連続でプロジェクトに参加できない決まりになっています。Art Blocksに出品されているものの中でも特に高品質なNFTアートに興味がある方には、Curatedの作品が合っているかもしれません。

Playground

日本語では遊び場として訳される「Playground」では、Curatedプロジェクトで作品をリリースしたアーティストの他の作品が展示されています。

Curatedに展示されている作品と比較すると、より実験的でArt Blockのビジョンに合致するとは言えない作品も展示されているのが特徴的です。ただし、Curatedに作品を展示したアーティストに名を連ねる方の作品ではあるため、クオリティは高いものが出品されていると言えるでしょう。Curatedに展示をしたアーティストの中に気に入った方がいる場合は、Playgroundに展示されている作品も気に入る可能性があります。

ただし、アーティストらはPlaygroundに一度に1つずつしか作品集を公開できない決まりになっています。1つの作品集のNFTが全て発行・販売され、前回の作品集のリリースから2ヶ月が経過したら新しい作品集が展示できるようになります。

Factory

「Factory」では、Art Blocksにキュレーションされていないアーティストが自由に作品を展示することができます。Playgroundと同様に、アーティストらは1つの作品集を完売させたうえで次の作品集を出品できる設定になっています。

FactoryはキュレーションされていないNFTアートが集まったプロジェクトではありますが、ジェネラティブアートの特性上自分好みのアートが展示されている可能性は十分にあります。宝物探しのような感覚でNFTアートを購入したい方にはうってつけのプロジェクトだと言えるでしょう。

⑤まとめ

今回は、ジェネラティブアートを販売するNFTマーケットプレイス「Art Blocks」について解説しました。ジェネラティブアートNFTは従来のNFTとは一線を画し、偶有性から生まれるNFTアートを保有できる点が魅力的です。Art BlocksはジェネラティブアートNFTを自分で作成することも、既に作成された作品を購入据えることもできる主要なNFTマーケットプレイスです。Art Blocksに出品されているアーティストや作品に興味のある方は、まずはCoincheck NFT βで気に入った作品集を探してみてはいかがでしょうか?

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12