福井県高浜町が社会貢献アプリ「actcoin(アクトコイン)」で実施した地方創生とSDGsの促進事例について解説

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世界的にSDGs(持続可能な開発目標)の重要性が高まっていますが、SDGsの活動の一環でブロックチェーンを活用する地方自治体や企業が増えてきました。

2022年8月3日、福井県高浜町はSDGsに関連する取り組みで、デジタルポイント「actcoin(アクトコイン)」を開発するびソーシャルアクションカンパニー株式会社と連携協定を締結し、協働して事業を展開することを発表しました。ソーシャルアクションの可視化、次世代プレイヤーや地域課題解決をテーマとしたまちづくりイベント創出、官民パートナーシップの更なる展開など、クリエイティブな地方創生施策の推進を視野に入れたものです。

今回は、福井県高浜町のアクトコイン導入事例についてご紹介します。

目次

  1. 一般財団法人ソーシャルアクション財団とは
  2. 「actcoin(アクトコイン)」とは
  3. 高浜町×アクトコインの取り組み
  4. まとめ

①一般財団法人ソーシャルアクション財団とは

一般財団法人ソーシャルアクション財団は、持続可能な世界を実現するために、愛と勇気とお金の等価交換の実現を目指している事業です。社会課題を解決するための行動と可視化する「actcoin」とシンクロし、寄付やふるさと納税を活用した取り組みにより、社会課題プロジェクトを支えています。

計画しているミッションとしては、2030年までに2030億円集める、社会課題解決の行動を可視化する、社会課題解決プロジェクトを立ち上げて支援する、というものがあります。中でも、2030億円集めるというものは、クレジットカードのポイント、ふるさと納税、企業版ふるさと納税を活用し、資金を募集します。そしてNPOや市民活動団体へ寄付・助成します。さらに社会課題解決に向けてファンドレイザーを育成するといった目標もあります。

②「actcoin(アクトコイン)」とは

ソーシャルアクションカンパニー株式会社は、ブロックチェーンなどの技術を使い、これまで証明できなかった1人1人の社会貢献を見える化し、より多くの人の活動(ソーシャルアクション)を定量化する手段として、2019年にブロックチェーンを使用した社会貢献アプリ「actcoin(アクトコイン)」サービスを開始しました。

「actcoin」は、SDGs達成に寄与する個人の活動をサービスの中で実践報告をすることで、アクトコインというデジタルポイントが発行されるサービスです。自分のこれまでの活動が見える化され、ユーザー同士の関心分野や、登録団体の活動について知ることができます。

社会課題を学べるセミナーやボランティアへの参加、課題解決に取り組む団体への寄付、そして、日常の中で社会や環境に意識した行動を取り入れる。このような「ソーシャルアクション(=社会貢献活動)」を実践した際、actcoinのサービス上で報告をすることで、アクトコインを獲得できます。

出典:ソーシャルアクションカンパニー

actcoinのスマホアプリでは、参加機能、習慣機能、寄付機能、発信機能と4つの機能があり、自分に合ったものから利用できます。ユーザーはactcoinのサービスを通じて、SDGsの17の目標それぞれに沿った支援を行うことができます。

出典:ソーシャルアクションカンパニー

NPOや企業、自治体など300を超えるパートナー団体と連携し、ソーシャルアクションの輪を広げており、『ソーシャルアクションを新しい価値に変える』をミッションに掲げ、2022年9月時点では、約15,000人のユーザー、300を超える登録団体(NPO・企業・学生団体・自治体など)がつながる社会貢献プラットフォームとなっています。

貯まったコインは日本円などの法定通貨に直接換金することはできず、NPOへの寄付やエシカル(倫理的な)商品との交換、社会貢献活動を行う個人への支援といったことに使用できるようになります。

actcoinを通じて社会貢献活動に参加したユーザーの活動履歴は可視化されるため、ユーザー自身の興味関心や活動実績のPR、同じ興味関心を持った仲間との新たなコミュニケーションなどにも活用することができます。

③高浜町×アクトコインの取り組み

高浜町は、一般財団法人ソーシャルアクション財団とソーシャルアクションカンパニー株式会社と連携協定を締結し、クリエイティブな地方創生施策の推進を行っていきます。具体的には以下の事業が取り組まれていく予定です。

(1) まちづくりDX・SXの推進
(2) おいしい循環の推進
(3) ふるさと納税、企業版ふるさと納税の推進
(4) 地域おこし協力隊、副業、起業など、人材開発の推進
(5) ワーケーションなど関係人口創出の推進
(6) ソーシャルアクション・SDGsの推進
(7) その他、目的を達成するために必要な事項

開催結果

出典:アクトコイン

アクトコインに設置された、高浜町SDGs推進特設ページによると、全部で35のイベントが開催され、102人が参加。3903のアクションが発生しました。また、高浜町で提唱している健康づくりのアクション10箇条を、actcoinで自分がその日に何を行えたかを報告できるようなシステム「デイリーアクション」を実装しました。報告をすると500コインが貯まるため、モチベーションの向上に繋げています。

11月1日〜15日には、社会貢献アプリ「actcoin(アクトコイン)」ユーザー特典キャンペーンを実施。福井県高浜町の地域特産品を抽選20名の方にプレゼントすることで、福井県高浜町のアクトコイン参加者拡大に繋げました。

④まとめ

SDGsや地域創生の取り組みをブロックチェーンで実現しようというプロジェクトが、誕生しています。

ブロックチェーンは強固なセキュリティを担保したP2Pネットワークにより、消費者間(CtoC)での相互の価値や情報のやり取りを行うことができる仕組みづくりが可能です。その仕組みを利用し、actcoinのように改ざんを防げる社会貢献の記録、社会問題についての学びや課題解決に向けた実践など、アクションを可視化し、価値化することも可能となっています。

今回は、actcoinのサービスを介してクリエイティブな地方創生施策に個人が気軽に参加できるようにした高浜町の事例を紹介しました。

ボランティアや社会貢献活動に興味があってもどうやって参加すればいいのか、参加する際にどんな人たちがいるのだろうかと、初心者の方は特に気になることが色々あります。そこでスマホアプリ内で可視化されていると参加しやすくなり、さらに参加したことでトークンに価値化されることで継続しやすくもなります。また地方自治体とactcoinのような事業がタッグを組むことで、より情報が拡散し、興味を持った他の地域の人たちも参加しやすくなると言えるでしょう。プロジェクトの進展に注目していきたいところです。

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。