業界初!Blockchain×SDGsを掛け合わせた「5ireChain」とは

※ このページには広告・PRが含まれています

今回は、5ireChainについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 5ireChainとは
    1-1.5ireChainの概要
    1-2.プロジェクトの特徴
    1-3.5ireChainの機能
  2. SDGsとの関係性
    2-1.5ireBlockchainとSDGsの関わり方
    2-2.ユースケース
  3. ロードマップ
  4. まとめ

年間数百ものプロジェクトが誕生している暗号資産(仮想通貨)業界ですが、5ireChainは、開発企業が1億ドルを調達した22年7月のシリーズA資金調達ラウンドの段階で、評価額が15億ドルのユニコーン企業となったことで注目を集めたプロジェクトです。

ユニコーン企業とは、「評価額が10億ドルを超える、設立10年以内の未上場のベンチャー企業」のこと。22年の金融市場は金融引き締め政策の中で、ビットコイン価格は年間約80%下落し、VC投資額も縮小した年です。そんな中で巨額資金を集めたプロジェクトの全容を把握するため、今回は5ireChainの概要や特徴などを踏まえながら解説していきます。

①5ireChainとは

5ire

1-1. 5ireChainの概要

5ireChainは、国連の持続可能な開発目標を念頭に置いて構築されたブロックチェーンエコシステムです。国連の持続可能な開発のための2030アジェンダの実施を加速するために、自己主権型の分散型組織に力を与え、インセンティブを与える、第5次産業革命のためのブロックチェーン・エコシステムになることを目指しています。

開発企業5ire LLPのCEO 兼共同設立者のPratik Gaur氏は、インドの連続社会起業家、投資家、講演者、作家であり、インドでは「第5次産業革命の創造者」として活動している人物。国連の持続可能な開発目標を支持し、10年以上にわたり、世界を営利経済から利益経済へと移行させる支援を行っています。5ireChainにおいても、国連の持続可能性の目標を常に推進しており、第5次産業革命のためのブロックチェーン・エコシステムを介して、10億人の生活に変化をもたらすことを目指しています。

5ireネットワークは、営利目的から利益目的へのパラダイムシフトをもたらすことを目的としておりインターオペラビリティ、スケーラビリティ、セキュリティの保証、民主主義とガバナンスを確保しながら持続可能性を実現します。

1-2. プロジェクトの特徴

5ireChainの特徴は、スマートコントラクト&ESGランキングサービスを備えた、スケーラブルな分散型、持続可能なオープンソースブロックチェーンであることです。

5ireChainでは、ネットワークのベースレイヤーにサステナビリティを組み込んでおり、SDGs関連の数値の計測、開発、管理、投資行為に基づいてバリデーターの評判(レピュテーション)が更新されます。これにより営利目的から利益目的へのパラダイムシフトをもたらし、2030 アジェンダ本位な投票プロトコルが可能となります。中央集権化やカルテル化の機会を取り除くと同時に、国連の持続可能な開発目標へのコミットメントをサポートすることができます。

その上で、他のブロックチェーンとの相互運用性(インターオペラビリティ)や、大量ユーザーの利用を可能にする(スケーラビリティ)課題をクリアし、セキュリティの保証、民主主義とガバナンスを確保しながら持続可能性を実現することを目指しています。

1-3. 5ireChainの機能

①プライバシー保護性能
5ireは個人情報や金融情報を5ireChain上で非公開にする一方で、バリデーターが取引やデータ処理を実行可能にします。

Homomorphic Encryption(準同型暗号)という仕組みで、サードパーティ (クラウド、サービス プロバイダーなど) は、暗号化されたユーザーデータのプライバシー形式を維持しながら、データを復号化することなく、特定の計算処理を実行します。

特に企業にとってニーズの高い、プライベート(許可型)チェーンと同等のプライバシー性能を提供することが可能となります。

②スケーラビリティ
既存のブロックチェーンは、すべてのトランザクションがすべてのノードで保存される単一のトランザクションプールを使用しています。5ireChainの「Tansaction Pools」はウォレットアドレスに基づいてトランザクション処理を分化します。各トランザクションプールはユニークなアドレスを提供し、トランザクションが重複することを心配することなく、細分化されたチェーンを通じてトランザクションを同時に処理することができます。

③セキュリティ
5ireChainを構築するために使用される最先端の科学技術と、ノミネートされたプルーフ オブ ステーク スキーム(NPoS)というサービスにより、既存の古いブロックチェーンにはない強力なセキュリティを持つことができます。

④相互運用性
5ireChainには、さまざまなブロックチェーンと相互運用する機能があり、ブリッジを介したあらゆるタイプのデータのブロックチェーン間転送を可能にします。

多種多のブロックチェーンと相互運用が可能になれば開発が進むのはもちろんのこと、5ireChainの素晴らしいサービスが世界に広まり、最終的には持続可能な社会を作りあげ、現状の社会問題を解決することに繋がってくることになるでしょう。

②SDGsとの関係性

SDGs

2-1.5ireBlockchainとSDGsの関わり方

ここではどのようにしてブロックチェーンとSDGsが関わるのか解説していきたいと思います。

まず、5ireChainはステーキング、信頼性、ランダム化された投票、持続可能性スコア(環境、社会、ガバナンス)、および以前の指名に基づいてノードに重みが割り当てられる多要素コンセンサスプロトコルになっています。これにより、他のコンセンサス手法よりも複雑な投票プロトコルが可能になり、中央集権化になりづらいといったメリットがあります。また、持続可能性スコアもコンセンサスプロトコルに組み込まれていることから国連の持続可能な開発目標への取り組みも活性化されるようになります。

SDGsとは

SDGsとは 「Sustainable Development Goals」の略で、「持続的な開発目標」を意味します。2015年の国連のサミットで採択されたものです。SDGsには17の目標と169のターゲットのゴールが定められ、目標だけでなく、ターゲットを決めて2030年までの達成を目指します。1つのゴールではないので、SDG”s”と複数形になっています。より詳細を知りたい方は、参考ページも併せてご確認ください。

SDGs・ESG投資とは?SDGsとESGの関係や違いも解説

2-2.ユースケース

実際に5ireChainのユースケースはどのようなものがあるのかをまとめていきたいと思います。

①電子政府
5ireChainは既存システムや技術と、ブロックチェーン技術を搭載した政府インフラストラクチャとの間の相互運用性のための架け橋となることを目指しています。これら2つの異なる分野を統合することで、ブロックチェーンネットワークの強力なセキュリティと非集中型機能を古くなったコンピュータのシステムや技術にもたらすことが出来るようになります。

例えば、土地登記簿と土地所有権の譲渡、知的財産保護とデジタル著作権管理、投票など全てブロックチェーン上で管理を出来るようになり、市民とユーザーの既存のデータの処理がより安全で信頼できる環境で提供できるようになると期待されます。

実際に5ireは、インド、ナイジェリア、米国において、持続可能性、より良いガバナンス、より公正で透明な法執行のための技術的ソリューションを提供するための官民パートナーシップ(MoU)を締結しています。

②インデックスとしての国連持続可能な開発目標
国連の持続可能な開発目標(SDGs)をトークン化し、オンチェーン化する予定です。
5ireChainの透明性と説明責任機能に基づいて、持続可能な報酬分配を可能にする。そうした利益ベースのパラダイムが開発されています。

③Defi 5.0
5ireChainは持続可能なDeFi(分散型金融)を掲げており、可能な限り多種多様の金融アプリやサービスの開発を目指しています。

5IRE-20規格やNFT(非代替性トークン)など、誰でも5ire Blockchainに自分のトークンを作成できるマルチトークン機能をサポート。

アンバンクト(銀行口座を持たない人々)でも金融サービスにアクセス可能となるDeFiの特性を活かしつつ、前述のSDGsのトークン化モデルと組み合わせた独創的な取り組みが期待されています。

③ロードマップ

Roadmap
5ireは、2022年を通してチームビルディングやコミュニティ形成に注力。また、5ireテストネット(プライベート版)を立ち上げました。

2023年のポイントは、まずトークノミクスの最終的なドキュメントが第1四半期中に公開予定です。また、第3四半期にはメインネットの立ち上げを控えています。最初に、イーサリアム仮想マシン(EVM)チェーンとの相互運用性を備え、主要な仮想通貨ウォレット「メタマスク」も利用可能になる計画です。

メインネットのローンチが成功した後、独自トークンが発行されます。最近では、テストネット段階で開発に協力したユーザーに報酬としてトークンエアドロップを行うプロジェクトもあるため、興味のある方は詳しく調査してみてください。

④まとめ

ここでは5ireChainの概要からどのようにSDGsが関連してくるのかを解説しました。これまで金融包摂の実現を目指す「Celo」や、カーボンニュートラルにコミットする「ポリゴン(MATIC)」など、個別に持続可能性に取り組むプロジェクトはありました。

しかし、SDGs全体にフォーカスしている点で5ireChainはブロックチェーン産業でもユニークな位置づけとなっています。

まだメインネットローンチ前であるため、意欲的な構想がどのように現実ベースに落とし込まれていくのか、進展を待つことになります。是非興味のある方は5ireChainを調べて頂き、今後SDGsとどのように密接に関連してくるか考えて頂くといいでしょう。

The following two tabs change content below.

中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12