STOが資金調達の未来である5つの理由

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今回は、ブロックチェーンを活用したデジタル証券の発行・流通を手掛けるSecuritizeから寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. STOが資金調達の未来である5つの理由
    1-1. 資本市場をデジタル化する
    1-2. より良いコンプライアンスを実現できる
    1-3. 資本市場へのアクセスが容易になる
    1-4. より効率的な資本の利用が可能に
    1-5. 進化の余地がまだまだある
  2. 後記

最近STOという言葉をよく耳にする方も多いと思います。STOはブロックチェーンに基づいたものですが、よく一緒に語られる暗号資産やICOとは違い、より高度化された技術に支えられており、企業の資金調達・資本市場に革命的は変化をもたらす可能性を持っています。

そもそもSTOとはなんでしょうか?STO とは Security Token Offering(セキュリティトークンオファリング)の略です。IPO(新規株式公開)と似ていますが、STOではこれまで証書やエクセル等で管理されていた証券を、ブロックチェーン上で動作するセキュリティトークンによってデジタル化しています。この記事では、セキュリティトークンが資本市場の未来である5つの理由をご紹介します。

STOが資金調達の未来である5つの理由

1. 資本市場をデジタル化する

セキュリティトークンは簡単に言えばデジタル化された証券です。似ているように見えるICOやクリプトカレンシー(暗号資産)とは別物です。セキュリティトークンではブロックチェーン技術を利用して証券の所有権の記録・移転を可能にします。音楽業界で起こったデジタル化への変革のように、資本市場のデジタル化も一度始まれば後戻りできないプロセスとなることと思われます。

2. より良いコンプライアンスを実現できる

セキュリティトークンでは、コンプライアンス要件をトークン内にプログラムすることが可能です。そのため、セキュリティトークンでは、第三者の監督を必要とせず、グローバルに各国の法令を遵守できます。

3. 資本市場へのアクセスが容易になる

セキュリティトークンはインターネット上で売買が可能です。セキュリティトークンの発行体は、コンプライアンスに準拠しつつ、グローバルな資金にアクセスできることから、より良い条件で、より大きな資金調達の可能性があります。

4. より効率的な資本の利用が可能に

セキュリティトークンは非常に効率が良い仕組みです。あらゆる動作をプログラム可能であること、そしてデジタルであることで、一般的に証券の取引で必要とされる多くの中間業者を必要としなくなります。例えば、これまで非上場証券の取引は、完了までに何日も要し、高額の手数料・費用がかかったのに対し、セキュリティトークンでの適格投資家間のコンプライアンスを遵守したP2P取引では、仲介手数料や第三者の介在なしに数秒で実行可能です。

5. 進化の余地がまだまだある

音楽業界を振り返ると、楽曲がCDでデジタル化された当初は、消費者にとってはレコードやテープカセットを使うのとそれほど大きな違いはありませんでした。しかし、一旦楽曲がデジタル化された後は、業界・サービスはそれまでは考えられなかった進化を遂げました。セキュリティトークンはまだまだ新しい技術ですが、急速に進化しており、すでにセキュリティトークンを活用した証券発行・流通において新しい取り組みが始まっています。

後記

日本ではSTOはまだまだ馴染みのない概念かもしれませんが、2020年5月に改正金融商品取引法が施行され、今後普及が進む見込みです。海外では欧米を中心に活用事例がすでに多く出ていることから、日本でも年内には事例が出てくると考えられます。

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