グリーンボンドやソーシャルボンド、サステナビリティボンドなどを含む「SDGs債」について、全国の証券会社を構成員とする社団法人日本証券業協会(日証協)は2月10日付で「SDGs債の発行状況」をウェブサイトで公開した。2016年以降に日本国内で公募されたSDGs債の発行額・件数を掲載しており、16年は3件450億円だったのが、20年には146件2兆1339億円に急拡大。特に、18年からはサステナビリティボンドの増加が数字を底上げしているのがわかる。
資料は、発行体により資金がグリーンプロジェクト、ソーシャルプロジェクト、サステナビリティプロジェクトに充当されることが公表されているものを集計。2、5、8、11月の各月10日(「休日」の場合は翌営業日)に、前々月までに起債された情報について掲載(初回のみ19年10月までの起債分を11月29日公表)している。
日証協によるSDGs債の定義は、調達資金がSDGs(持続可能な開発目標)に貢献する事業に充当され、中でも環境・社会へのポジティブなインパクトを有し、一般的にスタンダードとして認められている原則に沿った債券や、事業全体がSDGsに貢献すると考えられる機関が発行し、インパクト(改善効果)に関する情報開示が適切になされている債券を含むとしている。なお、SDGs債は主に国内市場で用いられる呼称である。
原則とは、国際資本市場協会(ICMA)によるグリーンボンド原則、ソーシャルボンド原則、サステナビリティボンド・ガイドラインなどを指す。また、事業自体がSDGsに貢献すると考えられる機関としてはアジア開発銀行、国際復興開発銀行(世界銀行)、欧州復興開発銀行、米州開発銀行、国際金融公社、アフリカ開発銀行、欧州投資銀行、北欧投資銀行といった国際機関が挙げられている。
【参照記事】日本証券業協会「SDGs債の発行状況

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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