野村證券株式会社は1月22日、国際復興開発銀行(世界銀行)が発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンド(開発途上国の持続可能な発展を支える世銀債)の全額を引受け、日本の個人投資家に販売したと発表した。同債はブラジルレアル建て、インドルピー建ての2種で、いずれも期間3年。発行額は3578万ブラジルレアル、3億2330万インドルピー。債券の資金は、開発途上国の持続的発展を目的とするあらゆる分野のプロジェクトへの融資案件に活用される。
世界銀行は2030年までに「極度の貧困を撲滅」し、「繁栄の共有の促進」を持続可能な形で実現することを使命としており、この2つの目標は、国連のSDGs(持続可能な開発目標)とも連携している。野村證券によると、今回の販売では、世界的な開発課題である栄養不良問題をとりあげ、世界銀行が開発途上国で取り組む栄養改善プロジェクトの事例を紹介した。「世界の3分の2以上の国々は慢性栄養不良(発育阻害)、急性栄養不良(消耗症)、過体重/肥満、微量栄養素欠乏等の問題を抱えている。特に低中所得国では栄養不良問題は国の保健医療制度と経済に深刻な負担。世界銀行は栄養改善を人的資本形成や経済成長促進の鍵と考えており、最も栄養不足で脆弱な立場の人々への支援の拡充を目指し、保健・栄養政策の策定や栄養改善事業の設計、栄養サービスの拡充、政策分析や事業評価等を通じ、途上国政府を支援している」(同社)。
世界銀行は、インドにおいて国家栄養ミッション支援プロジェクトに2億米ドルを融資している。インドでは5歳未満の子どもの38%が発育阻害の状態にあり、幼児期の低栄養は全土の課題となっているため、インド政府が2018年に女性・乳幼児向け栄養サービスの普及率と質の改善を目的とする「国家栄養ミッション」を立ち上げている。世界銀行は、子供の統合的発達サービスの枠組みや3歳未満の子供に焦点を当てた支援と栄養改善のための行動の強化のため、ミッションを支援している。2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症に対応するため、迅速に事業方針の転換を行った。
野村グループは、「Drive Sustainability.」というコンセプトのもと、サステナブルな社会の実現と社会的課題の解決のため、ESG(環境、社会、ガバナンス)/SDGsに関連する活動に積極的に取り組んでいる。グリーンボンドやソーシャルボンド、サステナビリティボンド等の引受けを通じて、社会的課題を解決するための資金需要と、投資を通じて社会に貢献したいという投資家の想いとの橋渡し役を担います。そして、SDGsの達成に向けた取組みを推進し、経済成長と社会の持続的な発展に貢献を目指している。
【参照記事】「野村ブラックロック循環経済関連株投信」、設定日残高上位、ESG関連ファンドに高い関心
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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