中国人民銀行(PBoC)は3月29日、声明を公表し人民元の保護と強化の戦略の一環として、仮想通貨に対する厳格な措置を引き続き適用することを明らかにした。Cointelegraphが報じた。
PBoCのFan Yifei副総裁は、今回の声明の目的について、改革とイノベーションをさらに強化すべく中央銀行のデジタル通貨(CBDC)の研究開発を推進すると説明した。また、中国政府はCBDC以外の非公式の仮想通貨から人民元を保護することの重要性を強調した。
今回の声明では仮想通貨に対する具体的な政策は提示されていないが、分散型の支払い方法に対する中国政府が厳しい方針を取っていくことが同副総裁とPBoCによって示されたかたちだ。
中国は仮想貨取引に対抗する一連の措置を講じている。国内外のデジタル資産取引プラットフォームをグレート・ファイアウォールに追加し、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)と仮想通貨関連のウェブサイトを禁止するとともに、仮想通貨取引所の多くのアカウントを凍結した。こうした厳しい規制の結果、トレーダーは香港や日本のような仮想通貨に対してより柔軟な姿勢を見せている他市場に逃避している状況だ。
中国は内需による発展を目的として資本の国外流出を防ぐために、年間5万ドルを越える外貨の購入・両替を禁止している。しかし、従来の金融システムにとらわれずに国境の垣根を越える仮想通貨は、中国政府の内需政策を脅かす存在として警戒され、現在では国家主導の防衛策を講じられるまでに至っている。
ベネズエラのペトロやエストニアのエストコインに続き、中国政府によるCBDCの発行はこれからの仮想通貨市場にどのような影響を与えていくのか。引き続き注目していきたい。
【参考記事】China To Develop Centralized Crypto, Protects Yuan Against Non-State Digital Currency

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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