徐々に拡大を見せるオンライン学習はCOVID-19の影響を受け加速しているだけでなく、ブロックチェーン技術との融合で、信頼性の確立を促進するという。グローバル市場でのブロックチェーン技術推進を目指すウォールストリート・ブロックチェーン・アライアンスのメンバーで、ニューヨーク市立大学教授も務めるショーン・スミス氏は8月31日、Forbesでその現状について語っている。
スミス氏は、オンライン教育の増加により資格取得が容易になっているとしている。一方で、証明証書改ざんや個人情報の盗難など、非認定機関によるセキュリティ問題の懸念が高まると指摘している。こうした課題に対し、同氏は資格情報と学位の即時検証を可能にするブロックチェーンを既存システムに融合させることで、透明性の高い正確な履歴を保護し、資格認定本来の価値向上にもつながると述べている。
また、ブロックチェーンは教育関連事業者に新たな収益をもたらす可能性もあるという。教育関連従事者は、研究論文や試験段階の製品、教材開発のために多くのエネルギーと時間を費やしている。この領域でデジタル化が進むことで、民間企業など数多くの教育分野に参入している事業者が収益をあげ、さらなる開発のために資本を投下することができるとしている。
ブロックチェーン技術はボーダーレスでオープンなシステムであることも特徴のひとつだ。個人と組織の合意のもとでブロックチェーンのスマートコントラクトを用いることができれば、世界中で即座に教育の機会を設けることにもつながる。ブロックチェーンといえばビットコインのコアとなる技術という印象が強い中、高等教育とブロックチェーンには一見関係性がないようにも思える。しかし、透明性を向上し、トークンなどのデジタル資産を自由に生み出すことができるブロックチェーンを教育領域に実装する試みはすでに国内外で見られ始めている。
【参照記事】Blockchain And Online Learning Are A Powerful Combination

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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