国立大学法人東京大学は10月16日、ソーシャルボンド「東京大学FSI債」(第1回国立大学法人東京大学債券)を発行した。発行額は200億円で、年限は40年、利回りは0・823%。主幹事は大和証券(事務)、SMBC日興証券、みずほ証券で、受託会社は三井住友銀行。ソーシャルボンドおよび大学債の発行は国立大学法人では初めてとなる。
国立大学の大学債はこれまで、付属病院や寄宿舎整備といった、直接的な収入が見込まれる事業にしか発行できなかった。文部科学省の有識者会議は今年3月、大学債の発行要件を緩和する方針を了承。同省が6月、関連法令を改正した。東京大は今年9月、本債券発行のための枠組みであるソーシャルボンド・フレームワークがICMA(International Capital Market Association/国際資本市場協会)が定義するソーシャルボンド原則2020に適合するとして、日本格付研究所(JCR)から最上位評価となるSocial1を取得している。
調達した資金は、同大が持つ社会変革を駆動する力を高める「東京大学FSI(Future Society Initiative:未来社会協創)事業」に充当され、「ポストコロナ時代の新しいグローバル戦略を踏まえた研究の推進」、「安全、スマート、インクルーシブなキャンパスの実現」を通じ、より良い未来社会の創造のために活用される。東京大では今後10年間で計1000億円規模を調達、研究力などの強化に活用していく計画だ。
初回の募集では、朝日生命保険相互会社、アセットマネジメントOne、かんぽ生命保険、住友林業、セゾン自動車火災、全国漁業信用基金協会、ソニー生命保険、第一生命保険、東京大と宇宙線研究所の連携協力協定を締結している飛騨市など約40が投資を表明していた。
【参照リリース】東京大学『ソーシャルボンド「東京大学FSI債」の発行について』
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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