米綿花業界によるサステナビリティの基準測定と目標達成検証のための「U.S.コットン・トラスト・プロトコル(U.S. Cotton Trust Protocol)」はTextileGenesisのブロックチェーン技術を採用し、綿花繊維に関連するサプライチェーンの透明化を計る計画を明らかにした。
U.S.コットン・トラスト・プロトコルは、米国のNational Cotton Council(全米綿花協会)とCOTTON USA Sustainability Task Force(コットンUSA持続可能性タスクフォース)により設立され、綿花生産業界の代表者で構成されるマルチステークホルダーによって管理されている。2020年の開始以来、アパレルブランド・小売、紡績・メーカー計300社を超えており、170を超えるアパレルブランド・小売が参加するテキスタイルエクスチェンジが提供する36の推奨繊維・素材リストにも含まれている。また、フォーラム・フォー・ザ・フューチャーが推進するCotton2040のCottonUpガイドでも紹介されている。
U.S.コットン・トラスト・プロトコルはこの度、ファッション・繊維業界向けのサプライチェーン・トレーサビリティ・プラットフォームであるTextileGenesisの「プロトコル・クレジット・マネジメント・システム(PCMS)」を採用。サプライチェーンメンバー間のプロセス全体における製品レベルの取引を把握・検証し、アメリカ綿繊維の移動を記録・検証する。最終製品が納品されると、アパレルブランドおよび小売メンバーは、プロトコル・クレジット(プログラムの下で生産された物理的な綿花に相当するデジタルトークン)を請求し、それに対応し、参加農家のサステナブル農業慣行と環境指標に関するサステナビリティ貢献を示すことができるとしている。
2021年6月初旬には複数のアパレルブランド、メーカーでテスト運用が行われ、2022年初頭にプロトコル・クレジット管理システム(PCMS)の本格展開もあわせて発表されている。
TextileGenesisによれば、ファッション業界で取り扱われる製品の95%はサプライチェーンの追跡ができないという。継続的な繊維の追跡を図るために、グラム単位で原料繊維をFiberTokenとしてデジタル化することにより、製造過程の可視化だけでなく、テキスタイル業界では初となる繊維から販売までシームレスなデータ交換を容易にする。また物理的な市場とマーケットプレイスのようなデジタル市場との相互的な流通を実現することが可能となるという。
【参照記事】U.S.コットン・トラスト・プロトコルとTextileGenesis™ が提携を発表
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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