国連開発計画(UNDP:United Nations Development Programme)インドのAccelerator Lab(A-Labs)は、インド産スパイスの開発・促進に取り組むSpices Board Indiaと協力し、ブロックチェーン基盤の流通管理トレーサビリティインタフェースの開発に取り組むことを明らかにした。4月9日、アジア産業経済ニュース Indo Asian Commoditiesが伝えている。
UNDPは、貧困の根絶や不平等の是正、持続可能な開発を促進する国連の主要な開発支援機関。「国家にとっての真の宝は人々である」という信念に基づき人々や国々の能力を育てる活動を約170の国や地域で行なっている。UNDPは国連の中核的な開発機関として、世界を変えるために2030年までに達成すべき17の目標「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の策定に役割を果たしており、世界におけるSDGs普及の推進力となっている。
本計画は、日本企業の技術・ノウハウ・ネットワークを活用して、A-Labsが特定したSDGs関連の課題の解決策をA-Labsと日本企業が共同で検討する「Japan SDGs Innovation Challenge for UNDP Accelerator Labs」の一環だ。ブロックチェーンを活用したスパイスの生産・流通管理は2019年から取り組みが始まっており、2021年5月までにブロックチェーン・インターフェースの設計を完了し、アンドラ・プラデシュ州グントゥールで唐辛子栽培に従事する3,000人以上の農家を対象に試験的な実施が行われるという。
インドは、総人口の50%以上が農業に従事し、内80%は2ヘクタール以下の小規模農家で、多くが貧困にさらされている。UNDPはブロックチェーンを活用した生産・流通管理の透明化によって収入の公平性を図るとともに、不純物混入の回避、輸出促進、天候による価格変動などの対処強化も目指している。
Spices Board India 長官のD Sathiyan氏は、このプロジェクトは香辛料のバリューチェーンを効率的に透明性が高く、公平にするためのマイルストーンとなると話す。また、このインターフェースはすでにSpices Board Indiaが開発する「e-spice bazaar」と統合する計画が進められているという。
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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