米商品先物取引委員会(CFTC)は、米ドル建てステーブルコインUSDTを発行するTetherおよび親会社のiFinexに対し虚偽表示を告発し、その後和解していたことを10月15日に明らかにした。Tetherは、制裁金として4,100万ドル(約47億円)をCFTCに支払ったという。
CFTCによると、Tetherは「真実ではなく誤解を招くような記述、および重要な事実の省略を行った」とされている。
Tetherは、2014年のUSDTローンチ以降、「ドルペッグコイン」として米ドルと1対1の価値で固定され、完全に米ドルに裏打ちされたステーブルコインであると主張してきたものの、実際には、Tetherの市場価格を担保するだけの準備金が存在していなかったことが判明した。
発表によると、2016年から2018年の26ヶ月間において、Tetherが流通しているUSDTに値する法定通貨の準備金を保有していたのはわずか4分の1の期間のみだったという。また、Tetherは「常に100%の準備金を維持していることを証明するために、定期的に専門監査を受ける」という虚偽の報告をしていたり、同社の企業資金と混ぜ合わせ、現金以外の商品で準備金を捻出していたとのことだ。
CFTCは、Tether親会社のiFinexに対し、同社が運営する暗号資産取引所Bitfinexに関する不正行為を告発し、こちらも和解していたことを明らかにしている。発表によると、Bitfinexの取引プラットフォーム外で違法小売商品取引を行っていたものの、規制当局への登録をせずに先物取引業者として運営していたとされている。iFinexがCFTCに支払った制裁金は150万ドル(約17億円)におよぶという。
CFTC執行部長代理のVincent McGonagle氏は、「TetherとiFinexに対する措置で示されたように、CFTCは市場の健全性を促進し、米国の顧客を保護するという法定の責務の遂行に尽力します。そして、CFTCの命令に違反した者に対しては、断固とした措置を取ります。」とコメントした。
【参照記事】CFTC Orders Tether and Bitfinex to Pay Fines Totaling $42.5 Million | CFTC
株式会社techtec リサーチチーム
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