金融機関を中心に広がるESG投資、SDGsへは金融の4割が積極的に取り組む。TDB調査

企業投資において、財務情報だけでなく環境、社会、企業統治といった非財務情報を投資の判断に取り入れることで投資家・企業の行動変容を促進させ、社会に対する負の外部性の低下を目指す「ESG投資」。株式会社帝国データバンク(TDB)が11月13日に公表したレポートでも、金融機関を中心に拡大が確認され、SDGs(持続可能な開発目標)へは「金融」の4割が積極的に取り組んでいた。

投資にESGの視点を組み入れることなどを原則に掲げる国連責任投資原則(PRI)は、2006 年に国際連合が金融業界に対し提唱した国際的なイニシアティブ。今年5月28日時点で世界3453社、日本で83社が 署名している。また、15年9月に国連サミットでSDGsが採択され、ESG投資も SDGsの17のゴール、169のターゲットを達成するための手段として、重要性が高まっている。TDBが今年7月に発表したSDGsに関する調査結果でも企業の24.4%がSDGsに「積極的」で、なかでも特に『金融』は41.5%と全業種で唯一4割を上回った。

TDB 景気動向調査では、現在と先行きの景況感に加え、経営状況および金融機関の融資姿勢についても毎月調査を実施している。レポートでは、SDGsに関する企業の意識調査と同時に行った「TDB 景気動向調査(20年6月)」の回答データから、それぞれの企業規模に応じてSDGs への取り組み状況別に金融機関の融資姿勢DIを算出した。現在の金融機関の融資姿勢について「非常に積極的」「積極的」「やや積極的」「変化なし」「やや消極的」「消極的」「非常に消極的」「該当なし/不回答」から1つ選択。「該当なし/不回答」を除く結果に対し、6から0の点数をつけている。50が判断の分かれ目で、上回っていれば積極的、下回っていれば消極的であることを表す。

結果、中小企業において、SDGsに取り組んでいる企業の金融機関の融資姿勢DIは、取り組んでいない企業の水準を上回っていた。また、中小企業においてSDGsの意味・重要度への認識の高さによって、金融機関の融資姿勢DIの水準も高くなる傾向がみられた。特に、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」中小企業において、金融機関の融資姿勢が『積極的』(「非常に積極的」「積極的」「やや積極的」の合計)とする割合は中規模企業で 49.5%、小規模企業では 55.3%に上った。

金融機関の融資姿勢が『積極的』であるとする比率について、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業群とそれ以外の企業群で、2 群の比率の差の検定を実施したところ、中規模企業、小規模企業ともに統計的に 1%水準で有意に高いことが確認できた。「日本でも金融機関を中心に、こうした取り組みを評価する企業が多くみられるようになっている。要因として、海外投資家の日本企業の株式保有比率が高まりつつあることで、海外株主から ESG 対応の強化が求められるようになったとの指摘もあげられている」と同社。「今後、国際的にESGやSDGs への関心がさらに高まることが想定されるなか、金融機関などの機関投資家における企業への投資判断で、ESGやSDGs などの非財務情報がより重要視されることになるだろう」としている。

【参照リリース】SDGsに取り組む企業ほど金融機関の融資姿勢が積極的に~金融機関を中心にESG投資が拡大~

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HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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