DeFiレンディングプロトコルAaveが、デジタル資産プラットフォームTaurusとの戦略的提携を3月8日に発表した。現在のAaveにはバージョン1とバージョン2があり、Taurusはそのいずれも自社システムに統合するという。
TaurusはAaveの統合背景について、機関投資家や銀行などの顧客によるDeFiや暗号資産への需要が高まっている点があげられると説明した。Aaveとの統合を皮切りにDeFiとの架け橋を築いていくと発表しており、今後も他のDeFiプロトコルを統合していく計画が伺える。
今回の取り組みにより、Taurusのデジタル資産管理システムにAaveのプロトコルが統合され、Taurusの各サービスから暗号資産やDeFiに直接アクセスすることができるようになるという。
具体的には、Taurusの提供する資産管理(カストディ)サービスTaurus-PROTECTとスマートコントラクト発行プラットフォームTaurus-CAPITALの両方にAaveを統合し、Taurusの利用者がAaveのサービスを気にすることなくAaveの機能を利用することが可能になる。
Aaveは、特定の仲介者なしに暗号資産の貸し借りができるDeFiレンディングプロトコルだ。基本的に借入時には暗号資産を担保に入れる必要があるものの、Aaveでは無担保で借入が可能なFlash Loans(フラッシュローン)という仕組みを積極的に提供している。
また、Aaveに暗号資産を貸し出すことで得た与信枠を他者へ移譲するCredit Delegation(クレジットデリゲーション)といったサービスを提供している点も特徴だ。
2020年8月には、イギリスの金融行動監視機構(FCA: Financial Conduct Authority)より、電子マネー機関としてのライセンスを取得しており、暗号資産取引所を介すことなく法定通貨で各DeFiプロトコルを利用するための仕組み整備に奔走している。
今回発表したTaurusとの提携について、AaveでCEOを務めるStani Kulechov氏は次のようにコメントした。
「DeFiは、資本を効率よく活用できるよう透明性を高めることで、費用対効果の高いソリューションを提供する仕組みです。我々は、安全なカストディ事業者とスマートコントラクトプラットフォームを通じて、銀行などの金融機関をDeFiに参入させる役割を担うTaurusと協力できることを嬉しく思います。」
【参照記事】TAURUS – next generation digital assets platform: Taurus and Aave announce strategic collaboration
株式会社techtec リサーチチーム
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