シンガポールの金融管理局(MAS)は1月17日、国内における暗号資産関連の広告を制限するガイドラインを公開した。公共の場やインターネット上で暗号資産に関する広告を掲載することを禁じる方針だ。
公開されたガイドラインによると、対象となるのは暗号資産取引所や暗号資産ウォレット事業者、銀行などになるという。個人投資家向けの広告を制限するよう求めている。
シンガポール政府は、以前より暗号資産取引のリスクを危険視しており、個人投資家にとっては適切ではない金融商品だと評価していた。一方で、ブロックチェーンを使ったイノベーションは高く評価しており、事業に組み込むことで付加価値を生み出すものであれば強く推奨している。
ガイドラインでは、個人投資家に向けた宣言は規制対象となるが、自社の運営するソーシャルメディアやWebメディアで宣伝を行う分には問題ないとしている。具体的な規制対象は、第三者のWebサイトや公共交通機関、その他インフルエンサーなどを起用した取り組みがあげられた。インフルエンサーの起用については、自社運営のソーシャルメディアやWebメディアでもあっても規制対象になるという。
また、広告の制限と併せて、暗号資産ATMに関する規制も公開されている。当局は、ATMを暗号資産を宣伝するツールの一つとして認識しているといい、広告宣伝と同様に規制対象にすべきと考えているようだ。なお、暗号資産の取引自体は規制されることはないという。
シンガポール規制当局の発表と時を同じくして、スペインでも暗号資産関連の広告が規制されることが明らかとなっている。スペインでは、1万人以上を対象とした暗号資産関連の広告コンテンツを表示することや、インフルエンサーを起用したプロモーションを行う際に、当局への確認が必要になるという。
米国をはじめとする主要先進国では、これらの動きに先んじて広告規制が適用されており、2021年に入ってから緩和する傾向を見せていた。ここにきて複数の国で広告規制が入ったことで、再び締め付けへの警戒が出てきている。
【参照記事】guidelines on provision of digital payment token services to the public
株式会社techtec リサーチチーム
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