一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は1月25日、新生企業投資株式会社の子会社である新生インパクト投資株式会社と共同運営する「日本インパクト投資2号ファンド(はたらくFUND)」を通じ、人材育成コンサルティングのエール株式会社が実施する第三者割当増資を引き受けたことを公表した。
はたらくFUNDは、日本ではまだ事例の少ない外部投資家参加型インパクト投資ファンドとして、邦銀グループとSIIFの協働により設立。少子高齢化、労働人口の減少といった社会課題に着目し、「働く人」を中心に様々なライフイベントを経ながら「働き続けられる」環境づくりを行う企業に投資している。これまでに、ITプログラミング教育のライフイズテック株式会社、AIやIoTなどのテクノロジーを活用し、保育施設の労働環境の改善と保育の質の向上を推進するユニファ株式会社に出資している。
今回の投資先であるエール社は、“日本社会が抱える働く人のエンゲージメント(仕事に対する活力・熱意・没頭および組織に対する自発的な貢献意欲)の著しい低さを解決する”ため、社外人材による組織変革を支援するオンライン1on1(1対1の面談)サービス「YeLL」を提供しているスタートアップ。同社は今回、はたらくFUNDと、株式会社アカツキの「Heart Driven Fund」を引受先とした第三者割当増資により2億円の資金調達を完了した。
はたらくFUNDでは、投資検討段階から、同社の事業が社会に与えるインパクト測定・可視化し、その結果を経営プロセスや事業戦略の改善に活かす社会的インパクト・マネジメントの導入について経営陣と議論を重ねた。さらに、出資実行後も引き続き同社の社会的価値創出と事業成長の両面からサポートするとともに、「日本で機関投資家にも開かれた本格的なインパクト投資ファンドの先行事例を創り、さまざまなパートナーと協働することで、インパクト投資のエコシステム構築を積極的に推進していく」としている。
SIIFは、社会課題解決と多様な価値創造が自律的・持続的に起こる社会を目指し、自助・公助・共助の枠組みを超えた社会的・経済的資源循環のエコシステムの実現を目指し活動する財団法人。ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめとするインパクト投資のモデル開発や実践、普及のための環境整備、調査研究・政策提言に取り組んでいる。
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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