英石油大手のシェル(ティッカーシンボル:SHEL)は1月28日、中国・河北省張家口で世界最大級の水素電解槽を活用したグリーン水素の製造を開始したことを発表した(*1)。同プロジェクトはシェル・チャイナと張家口市交通建設投資による合弁事業となる。
プロジェクトで活用される電解槽は20メガワットの生産能力を誇る。現在開催されている北京オリンピック期間中に、張家口市の競技エリアを走行する燃料電池自動車(FCV)に供給するグリーン水素の約半分を賄う見込みである。
向こう2年間で同電解槽の生産能力を60メガワットまで拡大させる計画だ。オリンピック後は、北京・天津・河北地域の公共・商業交通機関にグリーン水素を供給することで、モビリティ分野の脱炭素化をサポートしていく方針である。シェルにとっては、中国で商用レベルの水素製造プロジェクトを行うのは今回が初めてになるという。
シェルのインテグレイテッド・ガス・リニューアブルエナジー・ソリューション部門ディレクターを務めるウェイル・サワン氏は、世界最大級の水素電解槽を稼働したことは、水素分野でのリーディングポジションの確立を目指すことを含む同社の戦略「Powering Progress」に沿うものであると述べた。また、中国での水素製造・貯蔵・輸送にビジネス機会があるとみている。
張家口市発展改革委員会のバイ・ジン主任は、 張家口市が低炭素エネルギーへの移行を図り、カーボンニュートラルを実現するうえで、水素は重要な産業であると述べた。また、今回のプロジェクトが張家口市や北京・天津・河北地域の水素産業の形成に寄与するだろうという。
シェルが中国の地方政府および企業と連携し、低炭素なエネルギー・輸送システムの構築をサポートすることに注目だ。
【参照記事】*1 シェル「Shell starts up hydrogen electrolyser in China with 20 MW production capacity」

HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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