静岡県内の地方自治体や金融機関など25団体は8月30日、金融を通した持続可能な国連の開発目標(SDGs)推進に向けて環境を重視した融資や事業を推進するため「静岡県SDGs×ESG金融連絡協議会」を発足した。全国でも初の試みで、環境省がオブザーバーとして参画し、同県の取り組みを全国のモデルとする方針だ。
企業の財務情報だけでなく、「環境、社会、企業統治」を価値として投資するESG投資は先進国の潮流となっている。日本においても、特に中小企業や地域への普及がカギとなる。内閣府は今年1月、「地方創生SDGs・ESG金融調査・研究会」を発足。地方創生に向けた地域の社会的課題解決に資するビジネスに一層の民間資金が充当され、地域経済の活性化を含む持続可能なまちづくりなど、地域の社会課題の解決に向けたSDGs・ESG金融のあり方について、3月まで検討した。
同県は環境活動評価プログラム「エコアクション21」の認証事業所数が全国トップの1015件で、企業の環境活動が進んでいる。同省は県環境資源協会に協議会設置を打診、同協会が県内の自治体や金融機関に呼び掛けるかたちで、地銀や各地の信用金庫、県と静岡、浜松、沼津、富士、富士宮市が参加した。協議会では10~11月にESG融資をテーマにしたシンポジウムを開催するほか、専門家の派遣や相談体制を構築、企業間のマッチングなどの活動を行っていく。官民連携で地方創生SDGs金融の先がけとなるか、協議会の活動は日本のESG投資の普及・拡大に向けた、ひとつの試金石となりそうだ。
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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