米リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEO(最高経営責任者)が、ブラジル中央銀行のカンポス・ネト総裁と非公開での話し合いを行ったことが分かった。米国のビジネスニュースメディアDecryptが6月4日、伝えている。
話し合いはテレビ会議で行われ、リップル社のラテンアメリカのディレクター ルイス・サッコ氏、ニューヨーク州の暗号資産事業規制「ビットライセンス(BitLicense)」の作成者でリップル社取締役のベン・ロウスキー氏も同席した。会議の内容は非公表とされ、ブラジル中央銀行は「制度上の問題に関連する」とだけ述べた。リップル社もメディアの取材に応じていない。
昨年末にブラジル中央銀行のネト総裁は、暗号通貨が「高速、安全、透明、そして安価な支払いシステムを提供する」優れたアイデアだと認めたが、国際取引との相互運用面に課題があると述べた。総裁は「全世界が単一国であれば、これら4項目を備えるデジタル通貨を使わない理由はない。問題はこれを国際的な購入と相互運用することにある」と語っていた。
スペインのサンタンデール銀行がリップルネットワークを活用したモバイル決済アプリ「Santander One Pay FX」は、2018年からブラジルのエンドユーザーにサービスを提供してきた。リップル社は昨年6月、サンパウロに事業所を設立し、ブラジルで著名なビジネスマンであるルイス・サッコ氏をエリアマネージャーに迎えるなど、ブラジルと南米のポテンシャルを認識していることが窺える。
2020年4月29日にブラジル政府は、全ての公共サービスの電子化を目指すデジタル政府戦略「デジタル政府戦略2020-2022」を施行している。この戦略には、行政の効率性と透明性向上を目的としたブロックチェーン技術導入も含まれており、今後の動きに注目が集まっている。
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