みずほフィナンシャルグループの株式会社みずほ銀行は5月9日、「サステナブル・サプライチェーン・ファイナンス(SSCF)」の取り扱いを開始したと発表した。SSCFはサプライヤーのサステナビリティに関するパフォーマンスが調達金利に連動する融資制度で、資金調達面から中堅・中小企業(サプライヤー)にも環境・社会問題へ対処するインセンティブを提供、サプライチェーン全体でCO2排出量削減目標の達成、環境・社会への取り組みを促進する。邦銀では初めての取り扱いとなる。
同社はこれまで顧客であるバイヤーのサプライチェーンの効率化を目的に、バイヤーに対する売掛債権を裏付けとしたサプライヤー向けのファイナンススキーム「サプライチェーンファイナンス」(SCF)を運営してきた。SSCFを新たに設計した背景として、同社は「脱炭素社会への移行」を挙げる。サプライチェーン全体のサステナビリティ推進(責任あるサプライチェーン)には、大企業だけでなく中堅・中小企業を含めたサプライヤーの協力が不可欠だが、中堅・中小企業にとって大企業から求められる対応や資金調達の面で負担が大きくなる。こうした企業へ資金調達面でインセンティブを提供し、サプライチェーン全体の脱炭素化をはじめとする環境・社会への取り組み推進を支援するというフレームワークだ。
サステナビリティ評価には、フランスの専門評価会社EcoVadis(エコバディス)社が提供する評点(サステナビリティ(持続可能性)パフォーマンス)など、みずほ銀行が適正と認めるサプライヤー評価を用い、みずほ銀行がグローバルに運営・管理するサプライチェーンプラットフォームにて、サプライヤーにファイナンスを提供する。
フレームワークに対しては株式会社格付投資情報センター(R&I)から国際的な原則「サステナビリティ・リンク・ローン原則(SLLP)」に期待される事項の趣旨に準じる旨の第三者意見書(SPO)を取得した。
「総合金融グループとしての知見を活かし、ファイナンスやコンサルティング機能を通じて、顧客の企業価値向上やSDGs達成に貢献していくとともに、多様なソリューションの開発・提供に積極的に取り組んでいきたい」としている。
【参照リリース】株式会社みずほ銀行「邦銀初の『サステナブルサプライチェーンファイナンス(SSCF)』の取扱開始について」

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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