WhatsAppやMessengerを提供するFacebook、世界中で3億ユーザーを抱えるロシア発のメッセージアプリTelegram、米上院議会議員の公式連絡ツールとして認められるセキュアなメッセンジャーアプリSignalなど、メッセージアプリを提供する各社は、それぞれのプラットフォーム上で送金ができる独自のデジタル通貨の発行に向けて動きを見せている。2月28日付けでニューヨークタイムズに報じている。
メッセージアプリを活用しVenmoやPayPalのように国境を超えた国際送金の実現を狙う各社だが、ビットコインが送金手段のメインストリームとならなかったように、規制や技術のハードルに直面する可能性も高い。デジタル通貨において管理者が不在になってしまえば、犯罪者にとって有益なものになってしまうし、管理者を置くのであればブロックチェーンで実現する必要があるのかという疑問に立ち返ってしまうためだ。
ニューヨークタイムズによると、FacebookはPaypalの前社長であるDavid Marcus氏を擁し、2018年に17億米ドル以上のICOに成功したTelegramに追随するかたちで2019年上半期を目処に製品発表を考えていることが報じられている。Telegramも独自のデジタル通貨発行に向けて着々と準備が進んでおり、数か月以内には公開までこぎつけるという。Signalもデジタル通貨発行に向けて昨年調達した3,000万米ドルに加え、さらに3,000万米ドルを調達する予定だとされている。
IT企業はもちろん数多くのフィンテック企業が送金サービスへの参入を目指している。中でもFacebookはブロックチェーンプロジェクトに多大なリソースを投下しているという。仮想通貨メディアのThe BlockはFacebookのブロックチェーンプロジェクトの新規求人リストを定期的にトラッキングしており、現在では50人以上のブロックチェーン関連エンジニアを抱えていると報じている。今はまだ各社がそれぞれプロジェクトを進めているに過ぎないが、今後ユースケースが確立していくことが期待される。
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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