グローバルトレンドを調査するBusiness Insider Intelligenceは昨年後半にリリースしたレポート「The Blockchain in Banking」の中で、暗号通貨を「成長し続けるメガトレンド」と位置づけた。時価総額上位10の暗号通貨の概要について1月17日、Business Insiderが伝えている。
暗号通貨は、中央集権的な組織による管理を排除して、個人間の送金を可能にする。しかし、価値の裏付けが不在であることに端を発する極端なボラティリティ、分散型プロトコルであるが故のマネーロンダリングのリスクといった問題も孕んでいる。こうした暗号通貨の特徴はこれまで、金融体制に対する脅威とみなされてきた。しかし、JPモルガンやフェイスブックを含むグローバル企業によるデジタル通貨の採用や検討によって、金融社会の日々の取引方法が変化しつつある。
こうした背景からか、メディアでも暗号通貨に関する言及は増えてきている。Business Insider Intelligenceの調査レポート「The Blockchain in Banking」は、主要な4銀行のブロックチェーン・イニシアティブの事例に基づいて、金融サービス業界に及ぼした影響を評価している。
ビットコイン(時価総額:1562億米ドル*1月17日時点)、イーサリアム(同175億米ドル)、XRP(98億米ドル)はトップ3を占める暗号通貨だ。2009年にローンチされた最初の暗号通貨であるビットコインは、通貨を管理する「仲介者」を排除してブロックチェーン技術に置き換えた。ビットコインは既に供給上限の4分の3が発行(マイニング)されており、需要が供給を上回っていくことによる価格推移がますます注目されている。2015年に参入したイーサリアムはスマートコントラクトで金融取引以上のユースケースに対処する。トランザクションを数秒で処理するXRPは、個人よりも企業・機関に使用が期待されるトークンだ。Business Insiderは、米リップル社がXRPを一部保有して定期的に売却していることに触れて「競合コインに比べて集中化されている」と指摘している。
ビットコインから分岐(フォーク)した2つの暗号通貨、ビットコインキャッシュ(57.6億米ドル)とBitcoinSV(55.1億米)がトップ5に含まれた。2つのコインはビットコインのスケーラビリティ問題を解決するため、ブロックサイズの上限をそれぞれ拡大させている。
2014年に作成されたテザーは、米ドルの価値にペッグされた価格安定型の暗号通貨(ステーブルコイン)だ。現在、41.1億米ドル相当のテザートークンが市場に流通している。ビットコインよりブロック生成時間が4倍速いライトコイン(35.7億米ドル)が7位、毎秒数百万トランザクションを実行するように設計されたスマートコントラクトプラットフォームであるイオスが時価総額34.2億米ドルで8位となっている。
マルタを本拠とする仮想通貨取引所バイナンスのBinance Coin(26.2億米ドル)は9位として紹介された。Binanceはイスラエルの決済プロセッサーSimplexと提携して、デビットカードとクレジットカードで暗号通貨を購入できるサービスを開始した。Business Insiderはモネロ(11.2億米ドル)をリストに含めた理由について、トランザクションの機密情報(アドレスや取引金額)を秘匿にして追跡不可能にする特性の重要性を強調している。
【参照記事】List of top virtual crypto currencies in 2020
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