GPIFが株式レンディングを停止 「スチュワードシップ責任との整合性欠く」

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は12月3日、スチュワードシップ責任を踏まえ、株式レンディング(貸株)を停止すると発表した。GPIFは国内株式での貸株は行っておらず、対象は外国株式となる。

スチュワードシップ責任は、機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)を通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、「顧客・受益者」(最終受益者を含む)の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任を指す(出典:企業年金連合会)。GPIFはスチュワードシップ責任を果たすため、運用受託機関に対して、全ての保有株式の議決権を適切に行使するとともに、株主総会の時期だけではなく、年間を通じスチュワードシップ活動を行っている。

今回の停止について、「株式レンディングは所有権が借り手に移転し、GPIFの保有に実質的な空白状態が生じることになり、スチュワードシップ責任との整合性を欠く懸念がある」と説明。また「現在行っている株式レンディングのスキームでは、貸し出した株式の最終的な借り手や用途が確認できず、透明性が確保されていない」ことを課題に挙げた。経営委員会における複数回にわたる議論を踏まえ、株式レンディングを停止することとしたという。ただし「今後、透明性の確保が図られ、上記のような課題が改善されると考えられる場合には、株式レンディングのスキームを改めて検討する」と表明している。債券については、レンディング停止は検討していない。

GPIFは2014年から、運用会社の判断で外国株の貸し付け運用を行っている。業務概況書などによると、16~18年度の累計収益額は375億円だった。

【参考記事】GPIF「「2018(平成30)年度業務概況書(PDF)」

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HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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