仮想通貨ウォレットアプリGincoを提供する株式会社Gincoは10月9日、国外限定機能として、取引所を介さずウォレットから仮想通貨を交換可能となる両替機能の提供を開始した。
Gincoは、スマートフォンアプリに仮想通貨を保管する「ソフトウェアウォレット(モバイルウォレット)」に大別されるウォレットだ。ソフトウェアウォレットは、一定レベルのセキュリティを維持しながら導入コストや操作性の観点から、初心者でも比較的扱いやすいウォレットとして知られている。その中でも、Gincoは国産のアプリとして日本語に完全に対応しており、日本語によるサポートも提供されていることが特徴だ。
仮想通貨の交換には仮想通貨取引所を利用することが一般的だ。しかし、昨今では仮想通貨取引所に一括管理される資産が度々ハッキングの対象となり、多額の被害が発生していることが問題となっている。こうした問題に対して、取引所を利用せずにユーザー同士で仮想通貨を交換するDEX(分散型取引所)が提唱されていたが、DEX機能の操作性などの問題から普及は進んでいなかった。
今回、Gincoでは、パートナーであるKyber networkの提供するDEX「KyberSwap API」と接続を行い、Gincoユーザー同士での仮想通貨の交換を可能とした。だが、日本国内におけるDEXサービスの提供は、国内の規制に該当するかどうか明確な基準が設けられていない。GincoはDEXへの接続機能を提供するために関係省庁と調整を進めており、今後日本でのサービス展開を見据え、まずは日本国外で仮想通貨の両替機能提供を開始し利用実績と安全性の実証を積む考えだ。
Gincoでは現在、ウォレット提供を通じた仮想通貨の資産管理を事業ドメインとしているが、今後は資産管理だけでなく資産運用や通貨の利用といった側面を強化したい狙いだ。今後、仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンとの連携を重ねながら、革新的な技術を多くの人々が目に見えるモノや実際に使えるサービス提供を目指すGinco。引き続き動向に注目していきたい。
- 秘密鍵を端末のみに保存するソフトウェアウォレット「Ginco」
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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