米金融犯罪取締ネットワーク、仮想通貨など新たな決済技術を導入するソーシャルメディアにAML遵守の牽制

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米国財務省傘下の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)の幹部は2月6日、証券会社、銀行、および資産管理会社を代表する米国の業界貿易グループ「SIFMA」が主催するAMLおよび金融犯罪に関するカンファレンスにて、仮想通貨のような新たな決済技術を導入するソーシャルメディアはAML(アンチマネーロンダリング)標準に従う必要があると発言した。また、新技術の統合によって、金融システムを「後退」させることは許さないと強調している。

FinCENのジャマール・エルヒンディ副長官は、仮想通貨のような新技術を検討しているソーシャルメディアに対し、従来の金融機関と同等のAMLコンプライアンスを要求している。エルヒンディ氏は「ソーシャルメディアやメッセージングプラットフォームは、彼らが育んでいる可能性がある不正取引を見て見ぬふりはできない」と語った。フェイスブックが主導する仮想通貨リブラ計画については言及していない。

FinCENは金融機関に対して情報収集とデューデリジェンスのプロセスを定めて、金融犯罪を防止する上で必要な透明性の確保に取り組んでいる。現状では、金融機関間の顧客確認(KYC)情報共有システムを有す証券業界でさえ、実際に情報共有に参加している事業者は全体の14%に過ぎない。仮想通貨を導入するソーシャルメディアの出現が、AMLの環境をさらに悪化させる可能性をエルヒンディ氏は危惧している。

金融業界が新興技術を取り入れて「進化することを選択する限り」、これまで構築してきた保護と透明性を備える金融システムを「後退させることは許さない」とエルヒンディ副長官は強調した。

【参照記事】Prepared Remarks of FinCEN Deputy Director Jamal El-Hindi, delivered at the SIFMA 20th Anti-Money Laundering (AML) and Financial Crimes Conference

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